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MIKINOTE

作品制作とその他思った事を書くブログ

【猫の彫塑】模型制作に便利な油土の使い方とちょっと嫌なところ

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先日から、猫をモチーフにした作品を作り始めたのですが、その模型をもう少し細かいところまで作りこんでみました。

www.mikinote.com

油土で作っている所詮「模型(マケット)」なので、本当はそこまで頑張って作りこむ必要はないかもしれません。けれども、本番の素材(電子パーツ等)を使っての完成のイメージがどうしても掴みにくかったので、もう少しリアリティある感じのところまで完成度を上げてみたというわけです。

ところで、先日の記事を書いたときに「油粘土(油土)」という素材で、この猫ちゃんを作ったと普通に書いてしまったのですが、そもそも油粘土(油土)って何なのか知ってますか?

油土は、紙粘土や陶芸の粘土等とは違って、放っておいても固まることがない粘土です。その名の通り、油が使われていて、ベタベタ感があるのがちょっと嫌な感じなんですけどね。

その特性から、この種類の粘土は、主に模型制作や型取りなどに使用されることが多い粘土です。

一度買ってしまえば、繰り返し何度も使えるし、立体作品を作る際の模型制作には、非常に便利な存在なのですよ。

<目次>

何度も繰り返し使える模型用粘土

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この種類の粘土は、「油粘土(あぶらねんど)」とも、「油土(ゆど)」とも呼ばれることがあります。

ただ、検索で調べた感じだと、幼児用の教材として使われる場合の製品名は「油粘土」で、美大生やプロのアーティストが使うようなタイプは「油土」と呼ばれることが多いっぽいです。でも、呼び方が違うだけで、同じようなものではあるかと思います。単に製品名の違いかなあ。

したがって、この記事では、「作品の模型作成用に使える粘土」の紹介ということなので、「油土」という表記で書いていくことにしましょうかね。

レオン油土

僕が使っているのは「レオン油土」と呼ばれる、昔からの超定番の油土です。

このメーカーの油土には硬さの違う3種類の油土があります。

基本的には、スタンダードタイプで良いと思いますが、作りたいものによってどれを使用すべきかは変わってくるでしょう。

また、気温によっても、油土の硬さは変化します。暖かいと柔らかくなって、寒いと硬くなります。

夏は、柔らかくて扱いやすいです。だけど、逆に柔らかすぎて、造形物が自重で崩れてくる恐れもあります。なので、その場合は油土で制作している作品模型の内側に、支持体のようなものを入れておくと良いかと思います。太めの針金や角材などですね。

何度も使用可能な粘土

油土は、繰り返し何度も使用可能な粘土です。

他の多くの粘土は、水分を含んでいて、それが蒸発すると乾燥して固まってしまいます。そうなると、そのまま再度使用する事はできません。

だけど、油土は固まることはないので、何かを作ったとしても、それを崩して再利用することが出来ます。

だから、子ども用の教材などにも使われることが多いのでしょうね。何度も繰り返し使えるので、毎回新しい粘土を用意する必要がありませんからね。

アーテック 油ねんど 1kg (無臭・抗菌) 003019

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油土は「固まることがない」という特性があるので、作品の模型制作用には非常に便利なのですよ。

固まってしまう心配をすることなく、油土で作った模型を傍らに置きながら、それを参考に作品を作ることが出来ます。だから、特に立体作品を作る人間にとっては必須と言っても良いくらいに重要な素材というわけです。

油土の保存方法

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油土を使用した後は、ホームセンター等に売っている、フタ付きのプラスチック製のコンテナケースみたいな感じの、丈夫な入れ物に入れておくと良いですよ。

ホコリよけにもなるし、使う時もサッと取り出すことが出来て便利です。

Astage NCボックス #13 ナチュラル

Astage NCボックス #13 ナチュラル

僕が使ってる油土は、学生時代からちょっとづつ買い足しながら購入して増やしていったものです。だから、一番古い部分は10年以上経ってるのではないかと思われます。だけど、普通に使えています。

長年使用可能な粘土ということで、ある意味でコスパは最強です。

指とヘラで塑造

さて、早速作っていきたいところですが、そのためにはまず、「粘土用のヘラ」を用意しておくと良いでしょう。

基本は、手の指を使って作っていくのですが、細かい部分を作り込んだり、形を整えたりするためには、粘土ベラがないと難しいです。

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油土に使用するヘラは、粘土ベラと名前が付いているのであれば、どういったものでも構いませんが、制作する作品の大きさと形状に合わせて選びましょう。

おすすめなのは、「金属製のヘラ」ですね。木製の「ツゲベラ」等でも悪くないのですが、木製のヘラは油土がくっつきやすいので、作業がやりにくい気がします。

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大雑把な作業をするときに便利なので、非常に気に入って浪人生時代から使っている鉄製の粘土ヘラ。

ホルベイン 鉄ベラNO.11

ホルベイン 鉄ベラNO.11

いろんな形状のヘラがあると、応用がききます。

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その他にも、自分で作った真鍮製のヘラなんかもあります。(道具は売っているものだけだと、なかなか良い物がないので、無いものは基本的には作ります。)

用途にあっている使いやすいヘラを使用すると、作業も非常に効率的に行うことができるようになるでしょう。

粘土板も必要

あ、それと粘土板も必要ですね。

僕は今回は、適当な大きさの合板を使用して、その上で作業をしています。それでも構わないのですが、粘土板なら、汚れを落とす時も落としやすいので便利です。

作品のサイズに合っている粘土板、または木の板などを用意しましょう。

大まかな形から作っていく

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では、コンテナケースに入っている油土を取り出して形を作っていきましょう。

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油土は、しばらく使用していないと、少し硬くなっている状態になっています。特に冬なんかは、相当な硬さです。

なので、少量をちぎって、手にとって練りながら暖めつつ作業をしていきます。

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最初は大まかな形を作っていきます。猫みたいな動物系のモチーフだったら、生物としての自然な動きや、筋肉の量感、骨格などを意識しながら油土を盛っていきます。

モチーフの印象に近づけるためにはこの部分の作業が一番大事なんですよね。何事も最初が肝心。

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↑ここまでが前回の記事までのところですね。

で、今回は、猫の動きや肉付きを修正しつつ、毛のイメージなんかも作りこみました。

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前回よりもリアル感出てきたかな?

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後ろ姿が意外と可愛い。

本当は、油土って、そんなに細かい造形をするのには向いていないんですよ。実際にやってみるとわかるのですが、すごく扱いにくいし、そもそも本番の作品が完成したら崩してしまうような存在ですからね。あんまり頑張りすぎても、もったいないかもです。

でも、今回の本番作品を作るためには、猫の毛の流れの雰囲気や、微妙な肉付き等も理解しておく必要もあると感じたので、このくらいまで作業を進めてみました。

手がベタベタになる

実は、油土って便利だけど、あんまり好きではありません。

それはなぜかと言うと、すっごく手がベタベタになるからです。

そりゃあね、油で練られている粘土ですから、手がベタベタとするのは仕方のないことではありますよ。だけど、これが洗っても洗ってもなかなか落ちないから厄介なのです。

手についた油土の汚れを落とすためには、石鹸やハンドソープで何度か手を洗うだけではダメで、それに加えてスポンジなどでこするとやっとのことで汚れが落ちます。爪の間なんかもにも詰まっていることが多いので、指先もチェックしたほうが良いです。

スクラブ入りの業務用ハンドソープを使えば、いい感じに汚れを落とせるのですが、一般家庭などにはそんなん無いですよねぇ。

鈴木油脂工業 アロエローヤル 本体 2.5kg S-2000

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作業中に別の事をしたくなっても、いちいち落ちにくい汚れを無理やり落とさなくてはならなかったりするので、けっこう面倒なのです。

それが、油土のちょっと嫌なところですね。

だけど、他に代わりの素材があるわけでもないし、模型製作のためには油土は便利な存在なので、使うときは使っています。この欠点さえなんとかなれば、ホントに素晴らしいのだけどなあ〜なんていう無理なことを思いながら作業をしておりました。

まとめ

今回の作品は、実際に存在する「猫」という動物を作っていくことになります。なので、本番前の模型の段階を適当にしてしまうと、ちょいとまずいのでは?ということを思いまして、前回の記事の時よりも、もう少しだけ油土の模型を作りこみました。

特に、「毛の流れ」なんかは、しっかりと表現できていないと、本番の電子パーツを使った時に、猫っぽくならない気がしたんですよねぇ。制作の技法から考えると、かなり難しいモチーフなので、本番の前の計画をきっちりと練っておく必要があると考えたのです。作品のイメージ作りは大事!

油土を使って彫塑をしながらの模型制作は、自分の中でのイメージを固めていく作業でもあるというわけですね。

油土は、「手の汚れが落ちにくい」ということ以外は、本当に便利な素材ですよ。まあ、あくまで模型用の粘土なので、今回作った猫ちゃんも作品ができたら崩しちゃうんですけどね。もったいないので、いつもだったら、こんなにきっちりと作ることは無いのですが、今回はそこそこ頑張った方です。

まあ、頑張ったと言っても数時間程度なんですけどね。

ここからは、この猫模型を元に、使用する素材を選定したら、この何十倍もの時間をかけて作っていかねばならないので、この数時間がすごく大事だったりするんですよ。

そんなわけで、今回は「油土(油粘土)」という素材の紹介でした。

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