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【さらば基板】電子部品の新しい使い方を模索したくなった

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昨日までで僕の作品を展示していた展覧会は終わってしまったのですが、実は展示を観に来てくれた方の中で、このブログで紹介したい方がいます。

それがですね、「フラーレン(@fullerene_60)」さんです。

なんと彼は、僕と同じく電子部品を素材として立体を作る活動をしている方です。以前からTwitterで何度かやり取りをしたことはあったけれども、実際に会ったことはありませんでした。

でも、こんなにマニアックなことをしている人間はそうはいないですからね。(勝手に)親近感を持っていましたw

だから、「来てくれる」と言ってもらえた時はすっごく嬉しかったのですよ。

追記:タイトルに誤字があったので訂正しました。

自分とは違った電子パーツの使い方に刺激を受けた話

彼のツイッター上の名前の「フラーレン」とは、炭素原子で構成される分子構造のことを言うのだそうです。

参考:フラーレン - Wikipedia

だから、こういう感じの幾何学的な分子構造体みたいな形状を作っているというわけですね。

フラーレン(@fullerene_60)さんは、僕とは違って、アートとか芸術とか美術とかの世界の人というわけではありません。現在は、電気系の学科を専攻している学生さんなのだそうですよ。

あ、それと関係ないのですけども、僕と同じ山梨県出身なのだそうです。すごいなあ〜・・・こういう偶然もあるのですねぇ。

精密なハンダ付け

彼の作品はすごいんですよ。何がすごいって、ハンダ付けがすっごく丁寧なんですよね。

とてつもなく繊細な仕事です。

それに、作業がホントに正確なのですよね。

一度、ハンダ付けで何かを作ってみるとわかると思うのですけども、「ちょっとでもずれると、ゆがんで見えちゃう形状」をピッチリ作るのは非常に難しいのです。1mmでもずれると歪みが気になってしまうはずです。

でも、写真を見ると、歪んだような感じとか一切見られないのです。凄いことですよ、これは。僕にはとてもじゃないけど、真似できません。

僕、性格的に、作業量が多いのは平気だけれども、あまりきっちりした仕事はできないのですよね〜

作業机の上に乗ってる道具とかも自分と似てる気がする・・・。同じような事やってるんだからそりゃそうですよね。

う〜む、これだけできるのであれば、そのうち作品展とかもできちゃいそうな気もしますよね。

同じ素材を使っているにも関わらず、僕の作っている作品と比べると、全く違う物ができちゃうわけなのですからおもしろいです。

新しい使い方を模索する

最近フラーレンさんは、電子部品をハンダ付けして立体を作るだけではなくて、新しい方向性で何か作ることが出来ないか?いうことも考えているのだそうです。

「抵抗」を使用して、チェーン状の物体を作ったりとか・・・。これ、作り方として、ハンダ付けは一切していなくて、切って曲げただけなのだそうです。どうなってんだろ??

最近だと上記のように抵抗のブレスレットを作ったりしているのだそうです。上手く出来てますよね〜。

で、実は、今回僕の展示を観に来てくれたついでに、その抵抗のブレスレットも持ってきてくれました。

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こんな感じ!

パッと見た感じだと、抵抗(電子部品)で作ったようには全然見えません。どこかに売っていてもおかしくないクオリティです。かっこいいかも。

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取り外した抵抗のチェーンを触らせてもらったのですが、ホントに鎖みたいな質感です。驚くほどフレキシブル!

強度的にもかなり強くて、グイグイ引っ張っても問題なさそうな感じです。ホントよく出来てます。

ただ、着脱するときの機構がまだうまく考えつかなくて、試行錯誤中だとのことです。完成したら、ちょっと買いたいかもです。

この抵抗チェーンは、かなり刺激的でした。見せてもらえて良かったです。今までハンダ付けをして組み立てることしか考えてなかったので、新鮮なアイデアだと感じました。

やはり、常に新しいことにチャレンジしていく姿勢というのが大事!ということなのでしょうねぇ。

↑先週の彼のツイートでは、今までになかった有機的な形状?な物体を作ったりしています。植物の種子みたいに見えます。

あ、でもこれ、僕の展示見に来てくれた日だ・・・。そういえば「有機的な形を作ったことなかったから作ってみたい」と展示で話していました。仕事はや!

同じようなことをしている同士で刺激しあうことができるってのは良いもんですね。

僕も、良い所はどんどん吸収して、もっと良い作品を作ることができるようになっていきたいです。

まとめ

電子パーツって、本来であれば電子機器に使われる部品なわけです。だから、僕みたいな人が立体作品の素材に使うように、全く違った用途に使われることに嫌悪感を感じる人もいるそうなのです。

でもね、こうやって別の価値を付加できるのであれば、それはそれで良いと思うのです。だってさ、これって、造形素材としてものすごくおもしろいですもんね。

僕の作品がギャラリーに展示されていたのは昨日までだったのですけども、電子部品を知らない女性などが「ビーズを編んで作ったみたいに見える!」と言ってくれたことが何回かありました。おそらく、それは彼女らにとっては褒め言葉なのでしょうねぇ。言い方を変えると、「ビーズみたいに美しい素材」ということなのでしょう。

それが、電子部品の魅力の一つでもあるというわけなのです。まあ、実際には、一個一個ハンダ付けしながら作るのは大変なのですけどね。

いやあ、それにしてもフラーレンさんと会えたのは嬉しかったなあ。こういうマニアックなことを継続してやっている人は、なかなかいませんからね。実は同郷だったりしたんで、ますます親近感湧いちゃうなあ。

やってることは似てるけど、作ってるものは全く違いますから、刺激になります。

僕も、作品の新しい方向性も考えつつ、次に作るものを考えなくちゃなあ・・・と思いました。

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