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【分解ロマン】1.8インチのHDDの中身、見てみたくない?

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先日、壊れてしまったiPodClassicを修理した記事を書きました。

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そんでね、壊れてしまって使用不可になってしまったこちらの1.8インチ 160GBのHDD(ハードディスク)なのですけどね。

中身がどうなっているか、見てみたくないですか?

子供の頃から、壊れた機械を分解することにロマンを感じていました。当時は、壊れてしまって使わなくなったビデオデッキとか分解して遊んでいましたよ。やっぱり男の子は、そういうの大好きですよねぇ。

分解して、直せる技術があるわけでもないし、完全に興味本位ですけどね。iPodを修理して壊れたHDDを取り出した瞬間、やってみたくなってしまいました。

そんなわけなので、今回は、この小型のHDDを分解していきます。

<目次>

HDDを分解してみた

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ちなみに、このHDD。iPodClassicに入っていたものなので、めちゃくちゃ小さいです。

普通のPCに入っているものだと、2.5インチだとか3.5インチのHDDが主流なので、ものすごく小型のHDDだと言うことがわかるかと思います。

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側面から見ると、こんなに薄い。

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ノギスで計ってみたら、厚みは5ミリでした。よくもまあ、こんな中に160GBも詰め込むことができるもんだ!

ミツトヨ 530シリーズ M型標準ノギス N15 530-101

ちなみに僕は、HDDに関する知識はあまりありません。

一応、下記のサイトなどを読んで、かる~く勉強しましたが、素人同然です。ゆえに、とんちんかんなことを、この記事に書いてしまうかもしれないですが、おおらかな目で見て頂ければと思います。

参考:ハードディスクの仕組み|Logitec データ復旧技術センター

参考:ハードディスク(HDD)の構造について

それと、素人が分解すると基本的にHDDは壊れます。本当だったら、埃とかが一切ないクリーンルームとかで開封しなくちゃならないのですよね。だから、分解する場合はすでに壊れているHDDや、壊れても良いHDDを使用することをおすすめします。

星形ドライバーが必要

さて、HDDを分解するためには、細かいネジを回すために、精密なドライバーが必要です。

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↑この部分は普通のプラスドライバーでOKですね。

高儀 GISUKE 超精密ドライバー 6本組

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ただ、分解を始める前に、このHDDを観察していくと、使用されているネジが非常に特殊なものであることがわかりました。

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そう、星形のネジなのですよね。

しかも五角形の星形です。六角形の星形ネジ(ヘクスローブ)用のドライバー(トルクスドライバー)であれば、持ってるのですが、五角形の星形ネジ(ペンタローブ)用のドライバーなんてマニアックなものは持っていませんよ!

ネットで検索してみると、3.5インチや2.5インチのHDDは六角形の星形ドライバーで分解できるっぽいです。1.8インチだと、どうして急に五角形の星形ネジになってしまうのだろうか?Apple製品のパーツだから?

そこで、Amazonを覗いてみると、「Macbook Air用 星型ドライバー 1.2mm」という製品を発見しました。

これ、このHDDのネジの大きさに当てはまるかは、わかりません。僕の検索力では、ネット上のどこにもiPodClassic用のHDD分解用のドライバーに関する記述を見つけることが出来なかったからです。

でもまあ、大体1.2ミリくらいのネジだし、関東地方への送料無料で200円台のドライバーだし、イチかバチかで購入してみることにしました。使えなかったらMacbook Airを買って分解すればいいかな。

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↑で、こちらが届いた星形ドライバーでございます。

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先端はきっちりと星形になっております。こういう形をペンタグラムっていうのですよね。

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ネジの頭とドライバーの先端の経が合っているのかが心配でしたが、試してみたらドンピシャサイズでした。一か八かでしたが、なんとかなりそうで、ラッキーでした。

これで、このペンタグラム型のネジを回せば、HDDを分解していく作業に入ることが出来ます。

分解していく

さて、必要な道具も手に入ったので、早速分解していきます。

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まずは、普通のプラスドライバーで回せるネジを回していきますよ〜。

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取れました。濃い青色の基板の裏側が見えましたね。この時点でワクワク感が半端ないす。

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取り外したカバーみたいな部品は、シールでくっついていたうえにめちゃくちゃ薄いので、変形してしまいました。もう完全に後戻りはできない状態ですね。

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次は、星形のドライバーを使用して、4つの星形のネジを外してみました。これも、とてつもなく細かいネジです。

ネジだけど、かわいいとすら感じてしまいます。

プラッター

そして、ネジを外し終わったらば、本体を持って二枚貝を開けるかのようにパカっと開きます。

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おお〜、HDDの中ってこんなふうになってたのね。

円盤の部分がデータが保存される「プラッター」という部品なのですけども、傷一つないですね。ものすごい美しさです。

てっきり、iPodから「ピガガガ〜!」「ギャリギャリギャリ!」みたいな音がしてたから、傷だらけになってるんじゃないかと思っていました。

何が原因で、壊れちゃったんだろう。

まあ、どちらにしても、こうやって中身を拝んでしまったこの時点で修復不可能ですね。

基板

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プラッターのある面から見て、裏側に張り付いていた、青い基板も外れました。

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信じられないレベルの精密さです。こんな細かいの、どうやって組み立てしてるんだろう?こんなの細かすぎてハンダ付けとか出来ません。

この部分の回路で、HDDの回転などを制御しているのだそうです。

アクチュエータと磁気ヘッド

↓メカメカしい感じがステキ!

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お次は「アクチュエータ」と呼ばれる部品を取り外します。ただ、ここで気付いたのですが、三叉のプラスネジみたいなのが必要なのですね。

う〜む、こんなの、持ってないよ〜。

エンジニア 特殊ネジ用ドライバー Y型ネジ用 DTY-03

エンジニア 特殊ネジ用ドライバー Y型ネジ用 DTY-03

Amazonにも売っているのを発見したけれども、すでにHDDを分解し始めちゃってるからなあ〜。しかも、この特殊ドライバーもネジのサイズが合うのか謎です。

星形のネジは、HDDの外側だけではなくて、内部にもいくつかありまして、買った星形ドライバーが大活躍してくれたのですけどねぇ。

ということで、このネジを外すのは今回は諦めることにします。

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外せるネジを外して、持ち上げつつ引っ張ったら、簡単に取り外すことが出来ました。

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この先端部分(磁気ヘッド)が上下に動くことでプラッターのデータを読み書きしていたのですね。ホント繊細な造形ですよね。

磁気ヘッドとプラッターが、触れるか触れないかのギリギリの距離で回転&移動することで、データのやり取りをするのだそうです。こりゃあ、ちょっとしたことでも壊れちゃいますよねぇ。

HDDは大事に扱わなくちゃな、と思いました。

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↑ブーメランみたいな、ちょっと変わった形の磁石もついていました。

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アクチュエータを裏返すと「ボイスコイルモーター」と呼ばれる、細い銅線がグルグルと巻いてある部分があります。これと、磁石が作用して、磁気ヘッドを細かく動かしていたということですね。

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ついでに、小型のスパナを使えばナットが外れそうだったので、外してみました。

これもまた、すごく細かくて、薄いナットやワッシャーです。

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本当だったら、三叉のプラスネジ?を取り外すことができていれば、アクチュエータ付近をもっと分解することもできるのですが、今回はここまでで断念しました。

プラッタの取り外し

プラッタの真ん中の部分には星形ネジがついています。

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かなり硬いのですけども、周囲を抑えながら回すと、なんとか取り外せそうです。ネジと留めてあったパーツをピンセットで取り除いて、プラッタの側面を持ってつまみ上げました。

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プラッターはとてつもなく綺麗なので、素手で持つと、ものすごく指紋がついてしまいます。まあ、仕方ないか・・・。薄手のゴム手袋等を用意しておけばよかったですね。

それにしても、こんなに薄くて小さなものの中に160GBものデータが入るって考えると、信じられないです。技術の進歩って凄いなあ〜と感動しました。

まあ、1.8インチのHDDなんて、iPodClassicが廃盤になった今では、ほとんど見かけることはないし、需要もほとんどありません。むしろ、今ではMicroSDカードとかみたいな極小サイズのフラッシュメモリでも、もっと大容量だったりしますからね。

一昔前の技術ではあるけれども、実際に分解して自分の目で見てみると「なんか凄いなあ」と思ってしまいました。

スピンドルモーター

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プラッタのついていた根本部分の薄いドーナツ型の金属をベリベリっと剥がすと、「スピンドルモーター」のコイルが現れます。

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この部分、モーターなので当然と言えば当然ですが、ベアリングになっていて、指で回すとくるくる回ります。プラッタの回転に関わる部分ですから、非常に正確な回転が求められる部分ですね。

落下した衝撃などで、この部分の軸がずれてしまって故障してしまう・・・なんてことも多いのだそうです。

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この部分、留めているネジが見当たらないので、ラジオペンチでグイッと引っ張ったら取り外すことが出来ました。「かしめる」ことによって、装着されていた様子です。

これで、分解できそうな部分は全部分解しました。

いやあ〜楽しかった!

部品を並べる

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分解した部品をA4のコピー用紙の上に並べてみました。こうやって見ると、なんだか満足感ありますね。

今回分解したのは1.8インチという、通常だとあまり用いられることのないHDDです。なので、非常に小型で、部品のサイズも非常に細かいです。

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10円玉を一緒に置くと、スケール感がわかりやすいかもしれません。

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こういうこまか〜い部品が、iPodClassicの中のHDDに入っていたんだ〜ということを考えると、ちょっとおもしろいですよね。感慨にふけってしまいます。

こうなってくると、iPodClassic本体にも、細かい部品が入っているのは前回分解した時に知ったので、これも分解したい気もしてきちゃいます。でも、せっかく修理したばかりなのでやりませんw

まとめ

やっぱり、機械の分解はロマンを感じますね。

分解して中身を見たからって、どうというわけではないのですけど、なんかワクワクするのです。

特にHDDの中身なんて、普通に生活してたら絶対に見ることが出来ない部分ですからね。現在のようなデジタルな社会では、毎日のようにお世話になっている機械ではあるはずなのですけどねぇ。

そんな意味で、今回は非常に貴重な経験が出来たのではないかと思っております。なんとなく作品制作とかのアイデア的にも役立ちそうかも?

ハードオフなんかにはジャンク品のHDDとかも安価に売っているので、またやってみようかしら?

以上、1.8インチ160GBのHDDの分解ロマンについてでした。

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