前回の作品制作記事から150日以上間が空いてしまって、その後全く音沙汰なしな状態だった「電子パーツ(抵抗)で作る脳みそ」の制作ですが、その間もけっこう頑張って作業していました。
そのおかげで、かなりそれっぽい感じに完成に近づいてきたと思います。
作業開始時に撮った写真の日付とか見ると去年の12月末くらいから作業開始しているんですよねえ・・・ということは、すでに9ヶ月以上脳みそ作ってることになります。
いやね、最初はこんなにかかる予定じゃなかったんですよ。むしろさらっと終わらせるつもりでした。しかし、作業を進めていくとあれやこれやとやらなくちゃならないことが増えていき、ついに使用したパーツの数も過去最高になりました。
やっとのことで終わりは見えてきたかんじです。少なくとも、あと1ヶ月以内とかくらいには完成するんじゃないかな?たぶんね。
てなわけで、少なくとも2万数千回以上ハンダ付けして作っている脳みその現在の様子について書いていこうと思います。
<目次>
電子パーツで作る脳みその制作【終盤戦】
これまでの制作工程の流れは過去の記事を見ていただければわかりやすいかと思います。
次の作品の模型として粘土で「脳」を作ったよ!【制作工程画像大量】 - MIKINOTE
↓
【作品制作】脳みそ作ってます。地道に抵抗をハンダ付けして少しずつ大きく成長しています。 - MIKINOTE
↓
【作品制作】集中して「脳みそ」作ってます。7000個以上の抵抗をハンダ付けしたよ。 - MIKINOTE
↓
最初に粘土模型を作るところから始まって、それを横に置いて形の参考にしつつ作ります。
抵抗をハンダ付けして作っている
さて、この脳みそ。どんな感じで作っているのかって言う話です。(以前も何度か説明を書きましたが、久しぶりなのでまた書きます。知ってる人は飛ばして大丈夫です。)
まず、「抵抗」と呼ばれる電子部品を大量に用意します。これを材料として使用しながら作っていくわけです。
組み立ての前の下準備としてラジオペンチとニッパで作業しやすいサイズと形に足を折ったり切ったりします。
↑こんな感じの状態に加工して、準備OKです。ちなみにこの写真の小皿に乗っている抵抗だけで1000個以上あるはずです。
↑そんでこの抵抗をピンセットでつまんで・・・
↑一つ一つハンダ付けしていきます。
こんな感じの作業を繰り返して、気づけば使用した抵抗の数は(まだハンダ付けしてない物も含めて)14000個ほどになっていました。
写真だけだとわかりにくいと思うので、以前撮影した動画もリンクを貼っておきますね。
抵抗をハンダ付けして「脳みそ」を作る(途中) - YouTube
この動画脳みそ制作の序盤の様子の動画です。最近のは撮くて申し訳ないです。↑こんな感じでチマチマとやっております。
いろんな角度から見た様子
ある程度まで作業が進んで大詰めということで、いろんな角度から適当に写真を撮ってみました。
↑斜め上からその1
↑斜め上からその2
↑真横から
↑ちょっと横から
↑真上に近い位置から
↑後ろの方から
↑ひっくり返して撮影
↑拡大1
↑拡大2
以上のようなかんじです。
以前と比べると、脳みそ感がかなりでてきましたよね。
個人的には後ろから見たときに、プリケツ感が感じられるのが好きだったりします。
今後の作業内容としては形状の調整ですね。形がおかしいところを修正したり、もっと密度を上げるべき箇所にはパーツを付け足していく予定です。
余談いろいろ
その他、ちょっとした余談等です。
ヤニで汚れた机はたまに掃除している
僕の場合、はんだ付け作品を作る際には、机の上でハンダを溶かしてハンダゴテにハンダをくっつける作業を何度も繰り返す必要があります。ところが、そんな工程を何度も何度も繰り返すと作業机がハンダから出てくるヤニでかなり汚れてしまいます。
集中して頑張れば頑張るほど、何日かすると机の上がヤニでガサガサな感じになってくるんですよねえ・・・
なので、汚すぎてやばいなと感じたら机の上をエタノールを使って拭くようにしています。エタノールで服とハンダのヤニは簡単に拭き取ることが出来ます。
買った机とかだとエタノールみたいなものを使うのはちょいとばかり勇気がいるけど、この作業机は自分で作ったものなので、多少荒っぽいことをしても気になりません。机の上をエタノールでビチャビチャにして、いらないボロ布でガシガシ拭いています。
ただ、机の天板に塗装で使った水性ステインもエタノールで落ちてしまいます。多少塗料が拭き取られた感じも味があって好きなのですけど、完全に素の木材が露出してくるとあまりよろしくありません。なので、定期的に塗装が薄くなってきたら塗り直すようにしています。
部品が足りなくなって買い足した
実は、使用した部品数が9000個を超えた辺りで明らかに足りないぞ!ということに気づいて5000個ほど買い足しました。(上記の画像の一箱に1000個の抵抗が入っています。)
当初用意していた抵抗は10000と数百個くらいでしたからね。脳みそには予想外に大量に部品数が必要でした。
そして、気づいたらすでに使用した部品数は14000個を超えていました。(抵抗が100個入っていた子袋を保存してあって、それを数えたら140袋ありました。)ということは、1つの抵抗につき最低2回はハンダ付けするわけだから、少なくとも2万数千回はハンダ付けしてる計算になります。
できれば、使用する部品数が15000個。多くても15200個くらいに収まるように作業を完結させたいなあと思っております。でないとまた買い足さなくてはならないので・・・
なぜ時間がかかる作品を作るのか
この脳みそ。12月末から作り始めているので、現時点で9ヶ月以上作ろ続けていることになります。たぶん、1つの作品にかけた期間としては今まで作ってきた作品の中でも最長なんじゃないかな。
で、どうしてこんなにも長い時間をかけて面倒な作業を続けているのか?という話です。言ってしまうと、僕自身が作家として売れっ子じゃないからなんですよ。
作品をコンスタントに売って生活している、もしくは生活費の足しにしている作家さんの場合、定期的に開催する展覧会や販売しているお店等のために作品を常に用意しなくちゃなりません。ところが、美術系作品で魅力的なものを作るのってものすごく難しいし大変なんですよ。
だけど、だからと言って手間ばかりかけていると、当然1つの作品の完成により多くの時間がかかるようになってしまいます。となると、作品数が足りなくて、とてもじゃないけどそれを家計の足しにするような商売はできません。
なので、「いかに手を抜きつつ魅力的な作品として仕上げるか?」「効率よくおもしろいものを作るにはどうしたら良いのか?」というのが、美術作家の共通のテーマだったりします。
僕自身も、以前はなるべく早く作れるかつ、きちんと手間をかけてるっぽく見える作品を研究して、それらを大量生産品の如く作っていた時代もありました。
しかしながら、今現在の僕は作品販売で生計をたてるとかそういう感じで活動をしていません。現在は、別の仕事とちょっとの副収入で生計を立てている状態です。でも、今は特にお金に困ることもありません。
だから、今は生活の為とか、お金を儲けるために作るというよりも、時間などのコスト度外視ですごいやつを作っていこうと思ったんですよね。そのほうがおもしろいし、こういうのは時間が使える今じゃないとできないことだと思いますので。
なので、今は作業内容がものすごく大変でもいいから、密度が高くて、他の誰にも絶対作れないような難易度の高さとクオリティのものを作ろうと決めたんですよね。
そんな感じの思いがあって、現在は、コツコツと少しずつ作品を作るような感じで活動を続けています。
当面の目標は、今までの電子パーツハンダ付け作品を全部まとめた個展をすることですね。まだ予定は未定ですけどね。(どこか良い展示会場ないかなと探し中です。展示させてくれるギャラリーさんがありましたらぜひ連絡ください。)
まとめ
以上が、ここ最近の作品制作の様子についてでした。
今後は仕上げの作業に入ります。おそらく、頑張れば1ヶ月とかくらいで完成するかと思います。むしろ完成させたいです。
タイトルとかもちゃんと考えなくちゃなあ・・・
完成して写真なんかもある程度しっかりと撮影をしたらまた報告したいと思います。