先日話題になっていた「オロイド」を作ってみました。
オロイドというのは直行する円を頂点とするような形の形体で、転がすと不思議な動きをしながら転がります。また、転がるときすべての面が地面に順につくという性質があります。
展開図なども、いろんなサイトに載っているので、それを印刷すれば紙などで自分で作ることも簡単にできます。
で、その展開図を見ていたら、同じように銅板を加工して作ることができるんじゃないのか?ということを考えまして、実際に作ってみました。
詳しい作業内容などはYoutubeにアップした動画を見てもらうとして、この記事では銅のオロイドを作るにあたって今の作業環境的に苦労したことなどを書いていきたいと思います。
<目次>
銅でオロイドを作った。その作業環境について
制作の動画はこちらです。 youtu.be
まあまあうまくできたと思います。
しっかりと磨いて鏡面仕上げにしてあるので、転がすとおもしろい動きと相まって不思議な感じがします。ずっと転がしていたくなる。
今現在、こういう作業をするときは自分の作業部屋があってそこで作業をしているのですが、実はまだあまり設備が揃っていません。これから徐々に道具などを揃えていければいいんですけどね。
今の時点ではいろんなものが足りないので、工夫しながら作業をしてなんとかしています。特に金属関係を扱うときは、専門的な道具や機械が少ないので苦労することが多いです。
火力の強いガスバーナーがない
金属加工をするとき、もの同士を接合するときに「ロウ付け」という作業をすることがあります。
その時はガスバーナーを使用して金属を温めて銀ロウを溶かすことでくっつけます。
で、そのガスバーナーは本当だったら写真右側のブローパイプというガストーチを使って作業をします。これだったら、ガス栓とコンプレッサーにつなぐことで火力も強いしその調整も自由自在です。彫金する人間にとってはめちゃくちゃ便利な道具ですね。
ところが、今の作業場はガスの元栓がありません。なので、写真左側のカセットコンロのガスボンベに取り付けるタイプのカストーチを使用しています。
これがなかなか曲者でして、火力の調整もあまりできないし弱いです。なので、今回のオロイドくらいのサイズのもののロウ付けだと温度が上がらなくてロウ付けしにくいです。
そこで、僕の場合はこのカセットコンロバーナーを両手に一本ずつもって二刀流でロウ付けしています。
2倍の火力だったら、なんとかロウ付けできます。
だけど、そうすると両手がふさがってしまうので、作業中はなんだかとても忙しい感じになります
他に方法としてはカスコンロの上に金網などを置いてその上でロウ付けするというやり方もあります。そうすれば、下から温めながらロウ付けできるのでかなり大きめなものもロウ付けできます。でもそれはそれでフラックスが下に垂れたりとかしそうで個人的にはちょっと抵抗あるんですよねえ。
今後も大きめなものを作ることもあるだろうからなにか方法を考えなくちゃと思っている今日このごろです。
硫酸がない
ロウ付けなどをすると金属に酸化膜がついて汚れたようになってしまいます。なので、その後は酸に漬けて酸洗いをします。
で、銅などの金属の場合、酸洗いには硫酸を使う場合が多いのですが、硫酸は今の環境だと使いづらいんですよねえ。
学校や職場で薬品を使う場合だと廃液の処理なんかも業者にやってもらったりするわけなのですけれども、今は個人でやっているのでそういうのどうするの?とか色々考えてしまいます。
そこで現在は酸洗いの液としてクエン酸を使っています。
クエン酸だけだとあまり酸化膜が落ちないので、Amazonで買った電熱線ヒーターの上に耐熱ガラスの容器にクエン酸水溶液を入れて使っています。そうするとけっこう落ちます。
硫酸と違ってクエン酸だったら廃液処理も水に薄めて排水口に流しても大丈夫だと思いますから、あとあとの心配も少ないです。
硫酸は扱っていると、飛び散って服に穴が空いたりとかよくあることなのでそれも嫌なんですよね。その点クエン酸だったら手で触ってもある程度は安心なので良いです。
まとめ
と、そんな感じで色々と工夫しながら作業をしております。
実は今の作業部屋はつい最近までなかったのです。作業部屋が完成して使い始めたのはほんの2ヶ月半くらい前のことです。
今の場所は以前はうちの奥さんが作業場として使っていまして、今は小屋を作ったのでそちらに引っ越してくれたので、僕がその場所を使うことができるようになったというわけです。ありがてえ・・・
てなわけで、今回はオロイドを作るときに動画で語りきれなかった苦労と工夫のお話でした。
銅製のオロイドは結構うまくできたと思うので、動画の方も覗いてもらえたら嬉しいです。