最近、ブログを書くのがすごく楽しいです。と言うのも、こうやって好き勝手に記事を書くことで、自己表現をすることが自由に出来ているからです。
今の時代、ネット上のサービスだとかツールだとかがいろいろとあって、情報を発信するという行為が、誰でも非常に簡単にできるようになりました。これは、素晴らしいことなのですよ。
なぜなら、「表現する」という行為は、芸能人やアーティスト等の、一部の人にしか許されていなかった時代もあったからなのですよね。
ブログは詳細かつ自由に多くの内容を書き込むことが出来ます。文章や画像で、自分の主張や、日常の風景などを表現することが出来ます。もはや、ブログの記事一つ一つが小作品だと言っても良いくらいです。
しかも、それを即座にネット上に配信することができちゃうのですよ。作品を作っているだけだと、展覧会くらいでしか発表の場はありませんでしたからねぇ。これは画期的なことだと思っております。
そんなわけなので、僕のように自己顕示欲と創作欲求が強い人間にとっては、ブログは合っているのだなあ、と感じることが最近多いです。
<目次>
ブログと芸術の共通点について
僕がアート系の道に進もうと決めたのは、高校2年生くらいの時期です。美術系大学に行こうと決めて、美術予備校に通い始めて、最終的に3浪して東京芸大に入りました。そして、学部卒業後は大学院にも進学して、さらにそのまま助手もやりました。
子ども時代も、絵を描いたり、何かを作ったりする行為に熱中する感じの子でした。子どもなのに、平気で何時間も座って作業をするのとかが苦じゃなかったのですよね。
その代わり、友達付き合いは苦手でした。だから、1人で何かを作ったりして自分を表現するしかなかったのかもしれません。
つまり、僕にとって、「創作するという行為」は子どものことから当たり前だったのですよね。だから今でも、自分自身で何かを生み出し続けていないと、ダメなんです。
作品制作を一生懸命やっていくことで、20代の前半の時期は自分を保つことが出来たのです。そして、次第にそれが自分の存在価値なのだと考えるようになっていきました。
そんな意味で、多くのサポートをしてくれ続けた両親には感謝してもしきれません。
つらい時期もあった
けれども、ずっと作品制作が自由に行える環境に身をおくことができていたわけではありません。
問題は、芸大の助手をやめて、実家のある山梨に帰ってからでした。いろいろと事情があって、そういう選択をするしかなかったのです。
この時期は本当にきつかったです。何しろ、今まで自分の存在価値を見出す拠り所としていた、作品を作る時間がほとんどなくなってしまいましたから・・・。毎日の様に、作業机に向かっていた日々から一変してしまったのです。
ずーっとエクセルとかと格闘する日々が続きました。
余談ですが、正直言ってそれだけだとつまらなさすぎるので、エクセルのマクロや関数を勉強して、便利に仕事ができるようにシートを改造したりとかしました。仕事の合間とかにね。
この作業はちょっぴりクリエイティブな気分になれたので、ちょっと楽しかったです。
できるExcel 関数&マクロ 困った!&便利技パーフェクトブック (できるシリーズ)
- 作者: 羽山博,吉川明広,できるシリーズ編集部
- 出版社/メーカー: インプレス
- 発売日: 2015/07/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログを見る
でも、結局は体調を崩してしまったのですよね・・・。
「もう自分は作品作れないかも」という焦りにも似た気持ちと、さらに追い打ちをかけるように、いろいろと悪い出来事が重なったのがダメでした。未だに心の整理がつかないくらいに、つらい事件があって、それがとどめとなってしまいました。
本格的にダメになってしまった時期の記憶はあまりないけど、しばらくはずーっと寝てましたよ。
立ち直るきっかけとなった
立ち直るきっかけとなったのは、ブログを始めたことです。はてなブログでやっている、このブログではなくて、最初に始めたのはWordPressのブログですけどね。
最初は、「文章とか苦手だから、練習しようかな?」くらいの、軽い気持ちで始めたブログでした。
けれども、慣れないなりに、ブログをやっていくと本当におもしろいのです。この当時は、特に意識していなかったのだけど、久しぶりに「表現する」という感覚を得ることが出来た瞬間だったのかもしれません。
ブログは、作品を作るよりも簡単にできちゃうのが良いのですよね。パソコンに向かってキーボードを打つだけですから、体調が悪くても出来ます。
そうやって、ジャブをいれていくように、ちょっとずつ回復していき、しばらくすると普通に作品を作ることもできるようになりました。
自己表現の手段としてのブログ
現在は、引っ越しをしたりとかなんやかんやあって、環境をガラッと変えました。だから、今は作品制作も普通にできているし、ブログも書けているし、毎日がすごく楽しいですよ。非常に充実している感覚です。
そして、特に最近になって、ブログに対する考え方も以前とは変わってきました。と言うのも、ブログを書くことは、作品制作と同じ「自己表現の手段」だということを強く意識するようになったからです。
以前までの「文章を書くことができるようになるための練習」という認識から「作品制作と同じか、それ以上に自分の内面を表現する事ができること」という認識に変化しました。
なぜなら、芸術作品もブログの記事も、他人に何かを伝えるという目的としては、全く同じだからです。どちらも、何かを生み出すことで自分の内面を表現するという性質の媒体ですもんね。
ブログと芸術(アート)が根本的な意味で、同じものだということに気付いたのは、僕にとっては大事件だったのです。
素直な気持ちで書かれたブログはおもしろい
ブログというのは、基本的にどんなことを書いても良いのです。それが、その人の興味関心をそのまま表現することになるからです。(もちろん、倫理的に書いて良いこととダメなことはあるけどね。)
そして、雑記的に日常の出来事を綴っていったとしてもおもしろい!というのがブログの良い所だと思うのです。
だから、とりとめなく雑記を書いているブロガーさんの記事とかって、すごく楽しみにしているのですよね。素直に思ったことが書かれているブログは、共感できる内容の記事も多くて、読むのがすごく楽しいです。
これは、芸術を生み出す時の感覚と似ているのです。
素直な気持ちで作られた作品は、違和感なく観ることが出来ますからね。逆に、凄いっちゃ凄いけど、妙に技巧的な匂いのする作品は魅力的ではありません。
「共感できる物を生み出すことが大事」というのは、両者に共通する部分の一つですね。
ブログは気楽に書けるのが魅力
ブログというのは、とにかく気楽なのが魅力ですよね。
作品制作も「表現する」という意味では同じものだけど、とにかく時間がかかるのです。ものによるけど、一つの作品の完成までに2ヶ月とかかかることも珍しくありません。だから、たった一つの作品を作り始めるまでにはものすごい気合と、練りに練ったコンセプトを掲げる必要があるのです。
その点、ブログは簡単なんです。1000文字〜10000文字くらいの文章を、思ったままに書けば良いだけですからね。毎日だって、更新することができるし、日常生活でちょいと感じたこととか経験したことを題材にしてもよいのですから。
日記みたいなブログでも、けっこうおもしろい文章を書く人もいますもんね。意外と、アート的な問題提起をすることも出来たりするんですよね、ブログって。
TwitterなどのSNSに、自己表現の場を置いている人も多いです。けれども、僕にとってはブログの独特な雰囲気とか、機能の豊富さとか、文字数に制限がないとことかが、すごく好みなのです。自分に合っていると思っています。
毎日のように、自分の内面的な思いを、記事という形に変えて発信することができるというのは、すごく幸せなことだと思います。
展覧会の会場みたいな空間
去年の10月に「はてなブログ」に移籍してからは、はてブなどでコメントをもらう機会も増えてきました。逆に、購読しているブログを読みに行って、コメントしたりとかもね。そうやって、気軽にコミュニケーションをとることができるのもブログの魅力です。
これがね、最近、すごくおもしろいと思うのですよ。
というのも、展覧会にやってくるお客さんと話しているのと感覚が似ていると感じることがあるからです。
芸術家は、作品を作ると作りっぱなしではなくて、定期的にどこかのギャラリーで発表をするのが普通です。いわゆる個展とか、グループ展と呼ばれるやつですね。
そして、その会場には作品を観るためにお客さんがやってきます。
僕は、展示で自分の作品を観てくれている方がいたら、けっこう積極的に話しかけるのですよ。そしたらね、大抵の場合は作品や展覧会に対しての感想を言ってくれるのです。
「すばらしい作品ですね!」とか「ここのギャラリー雰囲気いいよね」とかのお褒めの言葉をいただくこともあるし、「ここんところは、ピンク色のほうが良かったんじゃない?」とか余計な口出しをしてくる人もいます。この時の会話は鵜呑みにしてはいけないのだけど、すごく楽しいし、ある意味で勉強にもなるのですよ。
そんでですね、思ったのが、はてブのコメントのページは「展覧会でのお客さんとの会話」みたいだということです。
ブログの記事という、小作品を見に来て、それに対して感想を言って去っていくお客さんとのコミュニケーションの場です。そこで起こっている出来事は、展覧会の会場での会話に非常に似ているのですよね。
特に、はてなブログに関してはスター(読んだよ!ということを伝えるためにポチッとするやつです。)とかもあるし、他のブロガーさんとコミュニケーションをとる手段が、いろいろと用意されているのが非常に楽しいですよね。
極端なことを言うと、毎日展覧会を開催しているような気分です。
しっかりやれば評価される
ブログの良い所は、しっかりとやれば評価されるという点なのですよ。
ブログも、その他のサイトもそうだと思うのだけど、ネット上のコンテンツの評価と言うのは、アクセス数とかPVとか訪問者数という具体的な数で表されます。非常にわかりやすいです。根気強く続けていけば、通常は数字が増えていきます。
だから、ちゃんとやっていって、ブログが順調に成長していくのがわかると、それが楽しさに繋がったりすることもあります。
やらしい話ですけど、広告等を貼っておけば、お小遣いも稼げるし、さらに言うとブログの成長とともに徐々に増えていきます。このブログでもGoogleの広告や、Amazonの商品紹介のタグを貼っているのですが、ぼちぼち毎月お給料が振り込まれそうな感じになってきました。
ブログは、承認欲求を手軽に満たすことができてかつ、創作意欲を発散する場にすることもできる存在というわけですね。
まあ、ブログも芸術も他人からの評価だけを、あてにしているだけではやっていけませんけどね。厳しいことを言うと、自分の内側からあふれる欲求を形にする行為そのものに快感を感じるような人でないと、高度なレベルを維持しながらやっていくことは出来ません。
他人からの評価なんて、ちょっとしたことで変わってしまうし、万が一それがなくなった時にモチベーションを保つことが出来ないからです。
しかしながら、自己表現が評価されたり、それがうまくいけばお金に変わるという観点から見ても、ブログは作品制作はよく似ているのです。
芸術とお金は、切っても切れない関係性がありますもんね。
誰でも等しく観ることができるもの
ブログは絵画や彫刻などの芸術作品と違って、お金持ちでも貧乏人でもネットに接続できる状況があれば、等しく閲覧が可能というのも良いところです。
正直言って、芸術作品は高いです。特に、優れた作品は、高額にならざるを得ないものなのです。だから、必然的にそれを購入することができるのはお金持ちだけです。貧乏人は観るだけで、触ったり、自宅に持ち帰るなんてことは無理ですからね。
だから、芸術に対しての感覚というのは、購入できる資金力がある人とない人とで、捉え方が全く違うのです。人間は、それが手に入るものだという意識がないと、それを身近に感じることなんて出来ませんからね。
貧乏人にとっては、芸術とかアートと呼ばれるものは、どうやったって身近に感じることができる存在ではないのですよ。ゆえに、多くの一般人にとって「アート=得体の知れない変なもの」というイメージがついてまわるのです。
ところが、ブログ記事はパソコンやスマホがあれば誰でも見ることが出来ます。自宅でも普通に観ることができるのです。これは大きなメリットですよ。無料で、ネット上に配信されるものですからね。
だから、ブログとそれを書いている人間には親近感を覚えたりすることもあるのです。自己表現の産物であるブログというものを継続して見ていたら、そうなるのは当然のことかもしれません。個人ブログは日常系のアートなんですよ。
そういう意味で、ブログと言う、自己表現の手段は非常に優れているということが言えます。
まとめ
心がポッキリ折れたときに、そこから救ってくれたのはブログでした。だから、ブログを書くことをこれからも大事にしていきたいと思っています。僕にとっては、それだけ大きな存在なのです。
ちゃんと書けば、評価もしてもらえるしね。
そういう意味では、ブログというのは非常に良いものです。「自己表現をする」という意味では、作品制作と全く一緒なわけですからね。
おそらく、ここに書いた内容は多くの芸術関係の人間にとっては受け入れ難いものであると思います。なぜなら、それまで積み上げてきた作品制作の技術や経験を、無視したような内容だからです。
例えるならば、絵を描いている人間に、「あなたの描いてる絵とブログは同価値なんだよ」と言っているようなものです。芸術関係の人間にもいろんな人がいて、めちゃくちゃ頭が固くて、(悪い意味で)職人みたいに頑なに技術だけを守ろうとする人も多いのですよ。特に、学生時代から技術を磨いてきたアーティストには、自分がやってきた表現活動を全て否定されているように感じるかも知れません。
でも、そうではなくて、アートや芸術と呼ばれるものの価値というのは「誰に何を伝えるか」です。だから、同じような特性を持っていて、多くの人にいろんなことを手軽に伝えることができるブログという媒体は、非常に優れているのです。
僕は、ブログを通して、自分の作品を多くの人に伝えていきたいです。
そして、手で作る立体作品も作っていくけど、自己表現としてのブログも同じくらいに頑張っていきたいです。
ここまで書いてきたように、作品制作とブログは似ているし、両方をうまいことブレンドしてやっていくことで、より一層自分の考えを多くの人に拡散することができるはずだからです。
やっぱりね、従来のように作品だけ作っていけば、認められる(かも)という時代は終わったのですよ。今の時代に合っている方法で、作品制作と自分の考えを効率よく広める手段を考えていくべきなのです。
ま、そんなわけで、生きていく手段として、ブログを書いていくことを選んだんだよぉ〜、という話でした。