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チケットや人気商品の転売が「悪」であると断定できるたった1つの理由

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最近・・・というか結構前からなんですけど、はてなブックマークのホットエントリーを眺めていると、有名アーティストのコンサートチケットや、人気がありすぎて希少価値のある新製品の「転売」について書かれている記事を見かけることがあります。

転売とは、販売元から定価で購入後、また別のサイト等でそれをもっと高額な金額で売りさばき、その差額が儲けになるという商売のことです。

こうした悪質な転売は以前から問題視されていて、世間的にも反感を持つ人が多いためかTwitter等でも転売商品が羅列してあるサイトのキャプチャ画像などが「早速転売されてる!転売ヤーまじでクソだなw」みたいなつぶやきとともにタイムラインに流れてくることも多いです。

しかし、何らかの対策がされてもいたちごっこで、現実問題として転売はなくなっていません。話題の新製品発売や、人気歌手のコンサートなどがあると、必ずと言ってよいほど定価よりも高額な金額での転売が行われているのが実情のようです。

転売に関しての記事がネットで話題になると結構目につくのが、この悪質なビジネスが悪いことだと思っていないっぽい意見が意外な程に多いと言うことです。そういうコメントや、記事をたまに見かけますからね。どうも、「経済学の観点から見ると高額でも売れるのだから問題ない」とか、「違法ではないから問題ない」と考えている人も多いっぽいです。

先日も、(炎上狙いなのかもしれませんが)転売を肯定して煽るような記事をはてなのホットエントリーで見かけました。そんなことを考える人が少なからず存在している状態だからこそ、転売ヤー(転売をする人)と、それを買う人があとを絶たないわけなのですが・・・

チケットや人気商品の転売は「」と断定出来ます。これは、はっきりさせておきたいです。

その理由は、単純明快。「社会への貢献が一切ないビジネス」だからです。

<目次>

悪質な転売は社会への貢献が一切ないビジネス

転売というビジネスは多くの人の反感を買っているのは間違いない事実でしょう。しかし、それが具体的になぜダメなのかということは、あまり語られていないような印象があります。

わかりやすいところで言うと、販売元が禁止しているからダメと言うのはありますよね。そりゃあ、その商品を販売している人が「ダメ」と言ったらダメなのは当然です。でも、もしも仮に、転売に対する対策が遅れていて、たまたま「転売禁止」と明言していないのなら、アーティストのチケットや新作ゲームハードを転売して良いのか?という話になります。

だけど、それとは無関係に転売は悪です。だから、転売をしたり、それを買ったりしてもいけません。

転売のすべてがダメというわけではありません。あとで説明を書きますが、問題のない転売もあります。しかし、少なくともその商品を扱う販売者や業界や、その商品を買うつもりだった人に不利益な転売は全部アウトです。

一部の転売行為が悪であるとはっきりと言うことができる理由について書いていきます。

お金は社会貢献によって得られる

なぜ転売は悪いことなのか?

それを説明していくためには、そもそも お金と言うものは、どのように僕達の手に渡るのか?というところから考えていくことにしましょう。

お金を入手する方法は色々とあります。まあ、普通は何らかの職業について、労働することによってお金を得ますよね。

会社で働いて給料をもらう、自営業のお店で商売をする、イラストを描いてそれを買ってもらう、まあ数え切れないほどいろんな仕事があるわけです。だけど、基本的にこれら全てに共通するのは「社会への貢献への対価として金銭が支払われる」ということです。


労働

誰かの利益になる

社会貢献

お金ゲット!


↑こんな感じの流れのはずです。

世の中にはいろんな職種があります。そして、どんな職業であっても直接的、もしくは間接的に社会への貢献がされているわけです。

それはどんな小さなものであっても突き詰めて考えていくと同じことが言えます。

例えば、子どもが親の手伝いをしてお小遣いをもらう・・・これだって立派な社会貢献です。親の手伝いをしてその結果、間接的に親の負担を減らし、その結果社会への貢献がされることになり、その報酬としてお小遣いというお金を得るわけです。

株式や不動産への投資で不労所得を得ている人もいますが、これも投資をすることで社会貢献をしてその結果としてお金を得ているわけです。

勤労以外で金銭を得る手段として生活保護なども思いつきますが、これは説明がややこしくなりそうのでここではあまり考えないことにさせてください。(社会保障制度の1つである生活保護は社会に必要なものです。)

お金と言うのは、使ったり使われることで循環して人間社会を維持したり発展させていくためのものです。だから、この社会の役に立つことをすることで、それを得ることが出来ます。お金というシステムがいい感じに動いていて、うまいこと世の中が回っているというわけですね。

まあ、ともかく通常であれば、人間は社会への貢献への見返りとしてお金を得ることができるってわけです。

と、これが基本となるお金の入手法です。

社会貢献のない金銭取得は問題がある

さて、ここで考えなくてはならないのが、「社会への貢献が一切ないような状態で、お金を得ることができる状況」とは、どのようなときなのか?という話です。

これが、様々な職業や、その他のお金を得ることができるであろう手段を考えてみても、なかなか思いつきません。例えば、「宝くじで1億円当たった!」とかでも、それは極低確率の当たりくじに当たることで、世の中のみんなの勇気と希望になるという意味で、社会貢献しています。

おそらく、まっとうな仕事で社会貢献無き勤労は存在しないのではないでしょうか。

まあ、社会への貢献の存在しないお金儲けとは、言ってしまえば非合法な手段だけですよね。つまり、「犯罪」です。


犯罪

被害者から金銭を奪う

お金ゲット!

被害者のその後の活動に支障が出る

人間社会の流れを阻害


泥棒や詐欺や恐喝などで、金銭を得る・・・そういう、本人以外は誰も得をしない非合法な商売が社会貢献のない金銭の取得でしょう。

そして、この手の行為には必ず被害者が存在します。お金を騙し取られたり、脅し取られたり、盗まれたり、犯罪者が犯罪によって金銭を得るとは「誰かから奪う」ということ意味しています。

このような輩は逮捕されて刑務所にぶち込まれて然るべきです。

奪われた者は、財産を減らしただけ経済活動を自粛しなくてはならないし、精神や肉体にダメージを負った場合にはしばらく療養しなくてはならないかもしれません。その期間は働けませんし、損失は計り知れません。

つまり、犯罪は人間社会の流れを直接的、もしくは間接的に阻害することになってしまうというわけです。

お金とは人間社会を円滑に回すための仕組みです。だから、反社会的な行為によってお金を得るなどと言うことはあってはならないのです。僕達のような善良な一般人にとっての「悪」と呼ぶことができる存在です。

故に、これらの行為はすべて「違法行為」であると、法律で定められているというわけです。

転売は誰も得をしない

その点、悪質な転売は、犯罪と同じく転売ヤー以外は誰も得をしません。

転売をしている本人以外には誰にもメリットがないのです。そんなものがまっとうな商売であると言えるでしょうか。

むしろ、公式な販売元から転売ヤーに買い占められることで商品の在庫数が減り、本来買えるはずだった購入者が買うことが出来ない事態が発生します。また、もしも転売された商品を見つけたとしても、余計な上乗せされた金額をプラスしないと購入することが出来ないわけです。

販売元の企業としても、本来購入するはずだった人に商品が行き渡らないお陰で、間接的に被害が発生します。例えば、新作のゲーム機を所有して実際に遊んでくれる人の数が減ったり購入が遅れたりすると、ソフトを買ってくれる人の絶対数も減ります。非常に大きな損失です。

コンサートのチケットにしてもそうです。実際にコンサートを楽しみに来る人の数が減ると、その場で関連グッズを買う人や、周辺の飲食店や交通機関などでお金を落とす人も減るわけです。間接的に経済的な被害があります。

「定価で完売出来ているのだから販売してる方としても問題がないでしょ?」とかそういう転売ヤーの考え方は間違っていて、転売によって確実に被害が出ます。


転売

公式の販売元から在庫が減り、買えない人が出てくる

定価よりも高額な金額で買ってしまう人が出現

お金ゲット!

販売元が被害を受ける

人間社会の流れを阻害


つまりはまとめると、犯罪と似たような流れなんですよ。転売。

お金をゲットするまでのプロセスに、社会貢献になる要素が全く存在しないのです。

それどころか、少なからず関係者に迷惑をかけている始末。つまり、人間社会の流れを阻害する存在であるというわけです。

転売は違法ではないのかもしれないけど、確実に言えるのはこの社会にとっての「悪」であるということです。何かしらのWin-Winの関係が発生しないお金儲けなんてまともではありません。

現代人は社会のルールを守りながらも、そのシステムに守られながら生きています。だから、社会貢献するということは、回り回って自分達の生活を安定&存続させることにつながります。そしてそれを妨げる存在は、社会的に敵であるとみなされるのは当然のことです。自分達にとっての敵・・・つまり「悪」です。

故に、チケットや人気商品の転売はやってはいけないし、そこから買ってもいけないのです。

問題ない転売もある

一応、断っておきますが、転売の全てがダメというわけではありません。

例えば、たまたまコンサートに行けなくなってチケットを友人に売り渡す・・・これは全く問題ありません。これは、チケットを受け渡すことでその友人がコンサートの席を埋めてくれるわけなので、主催者も嬉しいし、人気コンサートのチケットを入手出来た友人も嬉しいはずです。

また、古本屋で本を購入してそれに高い金額をつけて別の場所で売る「せどり」みたいな商売も、転売行為の一種ではありますが、悪いことではないと思います。もともと古本屋の奥に埋もれていてた価値ある書籍を、その本が欲しい人が買いやすいように別の場所で販売してくれるわけですから、それは古本屋もせどらーも購入者もみんな嬉しいWin-Winの関係です。

同じ意味で、海外の製品を海外のサイトから購入して、それを転売するような商売もOKでしょう。日本人は英語がとにかく苦手ですからね。英語が苦手な人からすると、多少の値段の上乗せは手間賃として喜んで支払うでしょう。また、その海外の業者も本来買わないはずだった異国の人が顧客になってくれるわけですから、関係者はみんなハッピーです。

しかし、人気商品や人気歌手のコンサートチケットが販売される際に、わざわざ公式で販売している以外の場所を最初に見に行くでしょうか?

せどり等とは真逆で、それを必要としている人の目に届きにくい場所に移動させた挙句、定価よりも高額な値段設定で売りつける行為は迷惑以外の何物でもありません。

転売の全てがダメというわけではありません。誰かの役に立つ転売行為も少なからず存在するからです。でも、誰も得をしないような悪質な転売は確実に問題があります。そういうタイプの転売は本人以外は得をしない迷惑なビジネスだからです。

社会への貢献がない金銭の取得は、基本的に犯罪である場合が多いです。

日々問題となっているような悪質な転売行為は、(現時点では)違法ではないかもしれません。しかし、性質的には非合法な商売と性質的にはよく似ています。

したがって、チケットや人気商品の転売は悪であると断定することができるというわけです。

まとめ

僕たちは直接的、もしくは間接的に社会貢献をすることによって金銭を入手しています。だけど、その輪から外れた商売でお小遣い稼ぎをするというのは、その時点でまともではないということです。

おそらく、チケットや人気商品の転売は、社会への貢献のないビジネスの中でも数少ない適法なものの1つです。

むしろ、このような誰も幸せにならない商売は違法にするべきであると個人的には思うのですが・・・転売の中でもOKなラインとNGなラインの境界を明確にしなくちゃ法律は作れないわけなので、なかなか難しい問題なのでしょう。

お金とは、人間社会を回すために存在しているものなので、それを阻害する金銭の授受は世の中的に疎まれてしまうのは当然のことです。

いずれは、根本的に転売への対策がされるのであろうとは思います。でも、しばらくはいたちごっこが続くでしょう。

僕達のような一般人ににできるのは、転売が悪であると言うことを周知して、多くの人に認識してもらい、転売された商品は買わないようにすることくらいなのかなと、そんなことを思いました。

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