白黒写真(モノクロ写真)って、なかなかおもしろいと思うのです。なんだか、すごくアートな魅力を感じます。
ブログというものを書き始めてから、写真を撮る習慣が出来ました。普通にカラー写真を使用する場合が圧倒的に多いけれども、場合によっては白黒写真に加工してブログに載せたりする場合もあります。
白黒写真には、カラー写真にはないおもしろさがありますよね。独特なレトロな印象も魅力だけど、それ以上に、写っているモチーフの存在感が強くなるのが良い所だと思います。
僕は芸術系の人間なので、どうしてもその方向性で考えてしまうのですが、美術の基本的な考え方から見ても、モノクロームな写真には、カラー写真にはないメリットがいくつかあるのですよ。
<目次>
モノクロ写真がいい感じに見える理由とは
淡い色味の花なんかもモノクロ写真にしちゃうとなかなかいいですよね。ハーフトーンが、上品な印象の写真ができあがります。
白黒写真とは、無彩色のみで有彩色が存在しない写真です。ゆえに、非常にまとまり良く見えるのがメリットです。ごちゃごちゃ感を感じにくいのですよね。
余計なものをいい感じに整理したような状態になるので、立体感なども感じやすい写真になるというのが、白黒写真の良いところです。
カラー写真よりも、かっこいい写真ができちゃうことも多いので、ブログのアイキャッチ画像などに使用することも多いですよ。
白黒加工の方法
僕は、普段通りに写真を撮ってから、Macの純正写真アプリで色調補正をするようにしています。もちろん、写真を撮影する時点で、カメラをモノクロ写真を撮ることができる設定にすることもできますよ。でも、カラーでいくか、白黒でいくか、あとでじっくりと判断したほうが良いと思います。
白黒の方が魅力的な写真になると判断される場合や、カラーだとすごく微妙っぽい写真である場合には、彩度を限界まで下げて白黒写真に加工してしまうのです。
できれば、RAWで撮影するほうが、後で自由に画像補正することができるのでオススメではあります。僕は、そうしています。だけれども、写真のデータの大きさもかなり大きいし、カメラによっては対応していない場合もあります。
なので、個人的にはブログに使用するくらいの用途であれば、普通にJPEGで撮ってしまっても全く問題ないかと思います。
失敗写真を使える写真に
失敗してしまった写真も、白黒に加工することで、ひょっとしたら使える写真に変貌させることができるかもしれません。
↑以前、夜の散歩中に撮った歩道の写真です。
感度を上げすぎてノイズが気になるし、逆光で紫色のフレアみたいなのが出ちゃっています。微妙な写真です。
で、これを白黒加工してみると・・・
ほら、なんだかグッと雰囲気ある写真になったような気がしませんか?
写真って、余計な色味が多すぎると、ものすご〜く、まとまり感の欠ける写真に見えちゃうのですよね・・・。ところが白黒写真になった途端に、まとまり感が生まれる印象です。
無彩色だけの写真に加工することで、ごちゃごちゃした色調が整理されたようなイメージですね。ノイズも「フィルム写真みたいな味」ということで、ある程度は、ごまかせる気がします。
もう一つ、例を出しておきましょう。
↑以前住んでた場所の近所の公園の横にある階段を撮ったものです。
けれども、コンクリート製の階段が主役であるはずなのに、この写真だと、それがわかりにくいですよね。何故かと言うと、階段の周囲の緑色の植物の色味が主張しすぎているからです。右側のフェンスの水色なんかも非常にうるさくて、まとまりに欠ける写真です。
それを白黒写真に加工すると、それだけで、主役の階段の重厚な雰囲気が出てきましたね。無彩色オンリーに加工するだけで、そこそこ雰囲気のある写真になりました。
全部が全部というわけではないけど、白黒に加工するほうが、写真が圧倒的に良くなる場合もあるのです。撮った写真がなんとなく微妙な場合には、思い切ってモノクロームな写真にしてしまうというのも一つの手かもしれませんよ。
彫刻的な魅力を感じる
生き物系の写真も、白黒だとけっこういい感じな場合が多いですよ。
↑うさぎの毛並み、いい感じ!実体感が強調されている感じ。
↑とある水族館に行った時のカメレオンの写真。色味がないけれども、そのおかげで立体感はかなりいい感じだと思います。
彫刻作品なんかも、色を塗らないほうがその作品の存在感を強調することができるといいます。まあ、白黒写真は、彫刻のその考え方と同じような感覚ですね。生き物単体を撮る時なんかは、モノクロな世界観を演出したほうが、余計な色味が存在感を邪魔しないので、良いのかもしれません。
↑友人と釣りに行った時に撮った写真です。カラー写真だとみずみずしい印象だったのですが、白黒に加工すると、むしろ魚の存在感が強調されたような絵面になりました。
質感を強調する
白黒写真は、質感の表現も強調される気がします。
石のゴツゴツした雰囲気なんかは、無彩色だけの方がいい感じに表現できるのではないでしょうか。
水滴の写真なども意外とおもしろいですよ。ツブツブ感がいい感じ!
水滴の一粒一粒の立体感がはっきりとするので、カラー写真だと見たことないような質感が演出できます。
↑金属の質感の表現にも向いているかもしれません。街で見かけた、ただのステンレス製のポールですが、ちょっとハイコントラストな補正をして、雰囲気を出しております。
質感を表現するという意味では、白黒写真は非常に有利ですよ。
花の写真
先ほども少し紹介しましたが、花の写真も意外とおもしろいです。
特に、白や、淡い色の花は、白黒写真にすると、非常に柔らかい印象が感じられるはずです。
↑白い百合の写真を撮るのは楽しいです。
ただし、こういう絵作りの写真は、階調性が豊かでないと単調な印象になってしまいます。グレートーンの美しさが、こういう写真の大きな魅力だからです。
なので、多少は良いカメラで撮ったほうが良いかもしれません。ちなみにこの記事の写真は全てRICOHのGRで撮ってます。コンパクトデジカメだけれども、一眼レフ並の画質のカメラなので、非常に気に入ってずっと使い続けております。
最近は後継機のGRIIが出ているので、今ならばそちらのほうが良いでしょうね。
特にブログを書いている人には、非常にオススメなカメラですよ。
空を撮る
モノクロームな空の写真も非常に魅力的なものを感じます。
青い色の爽やかさはなくなってしまいますが、その代わりに雲の立体感を出しやすいのが良いですよね。
↑ビルの迫力がエライことになっている写真です。これ、見上げで撮っているので、構図的に迫力出やすいというのもあります。でも、白黒にすることで、それがより一層強調されたというわけですね。雲の質感もおもしろいですよね。
普段は気に留めないような、なんでもないような空であっても、白黒写真にした瞬間に特別な印象を演出できる可能性があります。それは、無彩色だけで構成された写真の大きなメリットの一つだと思います。
光と影が強調される
白黒写真は、光と影を強調してくれます。
木漏れ日の柔らかい感じとか、いい感じじゃないですか?この写真。
↑とある駅前の写真。タイミング良く自転車が・・・。
こういう光と影の柔らかい印象も、やはり白黒に加工しないと出せなかった部分だと思います。カラーの状態の時は、すごく普通っぽい感じの写真だったのですよね。
反射を撮る
この写真、水たまりを撮っただけの写真です。ただし、ピントは水たまりに写りこんでいる電柱に合わせました。
このような写真を白黒に加工すると、被写体がどのような状況に置かれているかの説明が、少し不鮮明になります。それを利用して、ちょっと不思議な印象の写真に仕上げることが出来ました。ファンタジックなかんじ?
こういう感じの写真を撮るのも楽しいですよね。
レトロな雰囲気を想像する
白黒写真は、なぜかレトロな雰囲気を感じちゃいますよね。昔は、カラー写真なんてものがなかったわけですから、「白黒写真=昔」という公式が僕達の脳みそに刻み込まれているのかもしれませんね。
↑踏切を渡りながら撮った線路の写真。数ヶ月前に撮った写真だけれども、ものすごくレトロっぽいです。
↑薄暗くなってきた時間に撮った秋葉原の駅前の写真。これも、先月撮った写真だけど、「萌え」の街とは思えないレトロ感がありますね。かつての電気街秋葉原って感じ。
このように、白黒写真は、ここまでの間に説明してきたように、色調を整理して見やすくするという効果以外にも、郷愁を感じさせるような写真を作ることも可能というわけです。現代の風景を撮っているのに、過去を撮っているようなレトロ感を創造することが出来ます。
いろんな活用法があって、白黒写真は楽しいですよ。
まとめ
鮮やかなカラフルな色調が豊かな写真も好きだけど、無彩色だけの白黒な写真も好きです。
白黒写真は、被写体の存在感が強調されたような雰囲気が、魅力的です。レトロな世界観を作れるという点も良いですよね。どことなく幻想的な雰囲気を感じるところが、モノクロームな写真の良さですね。
写真の加工方法についてはここでは説明しませんが、用途と目的に応じて使い分けると良いかと思います。
僕みたいに、ブログのアイキャッチ画像とかで使用する場合などには、OSの純正ソフトなどで補正すればそれで十分だと思います。けれども、写真作品的に使いたいときは、(あまり詳しくないけれど)有料のソフトウェアを使用するべきでしょうね。LightLoomとか?
意外と使えるのですよね。モノクロ写真。アートな魅力が感じられます。
カラーだとぱっとしない写真も、白黒にしちゃえば、それだけでいい感じになる場合も多いですしね。それに、写真のモチーフや構図によっては、白黒の方が向いている場合もあります。いろいろとためしてみると、すご〜く楽しいですよ。
たまには、写真を撮る時に、白黒な世界観を意識しながら撮影するのも良いものですよ。