目のパーツなんだけど、せっかくくっつけたんだけど、なんか微妙だったので、開頭手術して裏側から抜き取ってやりました。 pic.twitter.com/StMvPxvCGN
— 三木 崇行 (@mikitakanamono) 2016年9月3日
【今日の作業】作ってる猫様の耳の位置がちょっと気に入らなかったので、もぎ取ってやった。 pic.twitter.com/XDGCxsYfWa
— 三木 崇行 (@mikitakanamono) 2016年9月4日
【今日の作業2】・・・そんで、耳を付け直しました。
— 三木 崇行 (@mikitakanamono) 2016年9月4日
作りこんでいくと、形が変なところがけっこうわかるようになってくるので、途中で思い切った修正がけっこう必要だったりするのです。 pic.twitter.com/3sLTSavNqB
前回の作品制作記事から12日くらい経ちました。最近は、空いてる時間(ブログを書く時間!とかも削って)なるべく作品制作のために使うようにしています。なので、このくらいの期間で、記事にしてもいいかな?というくらいにまで作業を進めることができました。
いやあ、それにしても「猫」というモチーフはなかなかに難しいですね。
粘土で作った模型に合わせて、正確に猫の形を表現しつつ、電子部品をハンダ付けしていくのは、けっこうな難易度です。作っていけばいくほどに、形やパーツの相性が不自然なところが見つかって、修正が必要になってしまうかんじです。
前回と比べると、かなり作業は進んだんだけど、目とか耳とかもぎ取って付け替えたりする大手術もしました。
でもまあ、作品作っていると、時にはそういう思い切った修正も必要なんですよね。
もちろん妥協して、形とかを修正しないままに作業を進めることも可能です。でも、今までに鍛えてきたデッサン力をフルに使って制作していかないと、完成した時に必ず後悔することになります。
今回はそんな感じの、作品制作の途中での思い切った決断についての話と、電子パーツ猫の制作の途中の様子を紹介していきます。
違和感を感じたら対応することで作品の完成度を高める【電子パーツハンダ付け作品作り】
電子パーツ(抵抗など)をハンダ付けして、「猫をモチーフ」とした作品を作っています。
↑上記のように、抵抗の足の部分を加工して大きさ別により分けておいて、それをひたすらピンセットでつまみつつ1つずつハンダ付けしていくという、ひたすら地道な作業をしております。
現在のところ、(まだハンダ付けしていないパーツも含めて)5700個ほどの抵抗部品を使ったようです。(抵抗が入っていた袋を数えました。)
前回までの作業工程に関しては以下の記事を読んで下さい。
とにかく、多くの作業量が必要な作品を作っているので、毎日作業していてもほんのちょっとずつしか作業が進みません。もうね「頑張ります」という言葉しか出てこないのですが・・・頑張ってます。
尻尾と足を作る
↑前回の作品制作記事では、こんな感じの進み具合でした。
ここからさらに、パーツをもりもりくっつけていかねばなりません。
全体の雰囲気は前回までで、できてきた感じがするので、次は末端部分・・・つまり尻尾だとか足だとかをいじって、完成度を上げていきましょう。
尻尾、かなり立派になりました。
猫の足ってかわいいよね。まだ、「かわいい」と感じられるところまでは表現できていませんが、ベースになる形はこんな感じかなと。
尻尾と足を作りこんだだけでも、不思議と全体もビシっとしました。
絵でも彫刻でもそうだけど、末端部分をきっちり作ると、全体の印象もきっちりと見えてくるのです。だから、末端から仕上げていくのは、作品制作の常套手段みたいなもんですね。
目を付けてみたけれど
さて、末端部分という意味では、「目」という部分は非常に大事な部分です。特に生き物を作っていく場合には、作品の中心となる部分だからです。
てなわけで、この段階から目を作っていくわけですが、目のパーツだけは、抵抗ではなくて「セラミックコンデンサ」と呼ばれる部品を使っていきます。ちょっと大きめの黄色いのと、中くらいの大きさの茶色いのです。
そんで、まずは黄色いセラミックコンデンサを・・・
目の場所にハンダ付けしてくっつけます。
そして、その上から茶色いセラミックコンデンサを乗せるようにくっつけます。これで、白目と黒目を表現したつもりです。なんとなく目に見えるでしょ?
めちゃくちゃ浮いてるけど(笑)
まあ、これから作りこんでいけばなんとかなるでしょ!と前向きに顔の部分を中心に、密度を上げて作りこんでいきました。
だいぶ、良くなってきたんだけど・・・なんか黄色がキツイんですよね・・・
上記の写真は、影とかを工夫してかっこよさげに撮ってあるけど、実際に見ると、「目が浮いている感じ」は、ここままではどうしても解決することができなそうでした。
そこで、この時点で方向性を修正することを考え始めました。
新たな部品を注文
やはり、違和感を感じている状態で、そのまま作業を進行していくのはダメだよね!ということで、また、新たな部品を取り寄せることにしました。
そんで、ネットで注文した次の日には部品が届きました。便利な世の中だよね。
↑で、注文した部品というのがこれです。初めて買った部品なのだけど、これ、「光センサー」なのだそうです。
この作品には、ギミックがあるわけじゃないから関係ないのだけど、光が当たると、抵抗値が変化するという特性があるのだそうです。
光センサーということでも、なんとなく「目」として使用するには良さそうでしょ?
普通の動物の目っぽくはないけど、これはこれで「異世界感」というか「デジタル感」みたいなのが感じられそうで、作品のテーマ的には、こういう目でも良いかなと思いました。
新しい目を取り付ける
さて、新しい目を取り付けなくてはならないわけですが、その前にすでに取り付けてしまった古い方の目を取り外さなくてはなりません。もったいないけどね。
そのためには、ニッパや、ハンダゴテを使って・・・
・・・開頭!
そして、古い方の目は裏側から抜き取ってしまいます。なんか抜け殻みたいだよね。
そんで、また裏側から新しい目を取り付けます。
上から見ると、まだ、ポッカリと前頭部に大穴が空いている状態なので、これを塞ぎます。
これでOK!
2色のセラミックコンデンサで目を表現していた時よりも、光センサーの目の方が全体的な違和感が少ない気がしますね。
なんとかなりそうでよかった!
耳の位置がおかしい
さて、目をいじって、頭部の密度も上がってきました。それは良いことです。
しかし、こういう彫刻的な作品は、完成度を上げていけばいくほどに形の違和感も見えてくるもんです。
おかしいなと違和感を感じ始めたのが「耳の位置」です。
写真だと、そんなに悪く無いかもしれないけど、どうしても気になってきました。気になってしまって、ここを直さない限り、作業を進めてはダメな気がしてきます。
こういう状態になったらやるべきことは1つです。
耳をもぎます!
無残。
だけど、大丈夫。丁寧に上手いことやれば、またくっつけることができますからね。
↑あっという間にくっつきました。
なんか、この耳の感じの方が猫っぽいですよね。僕の判断は間違っていなかった。
かなり勇気が必要な決断でしたが、思い切ってやって良かったです。
さらに密度を上げる
とりあえず、大きな違和感を感じる部分はなくなったので、ここからはひたすらハンダ付けを繰り返して、密度を上げていくのみです。
↑ここまでが、今日までの作業です。
一番大事な頭部付近を重点的に作業を進めてきたので、ここからは胴体や、足や、尻尾なども手を加えていかなくてはなりません。
今の段階だと、顔の部分の密度に比べて体の密度が低いから、写真だと体が霞んでいるかのように見えますね。
ここからは、猫の繊細な毛の質感を表現したりとか、かなり大変楽しい作業に入っていく予定です。
まだまだ完成までの道のりは長いですが、なんとなく進みべき道が見えてきたのは良かったです。
まとめ
作品制作と言うのは、なんにもトラブルがなくて、そのまま進むだけで良い時もあります。しかし、大抵の場合は、今回のように進んでは戻っての繰り返しをしながら完成を目指していくものであると思います。
作品を作るのって、集中力必要だし、けっこう大変です。
だから、人によってはせっかく作った部分が「もったいない」ということで、修正すべきところがあるにも関わらず、完成まで作業を進めてしまう人もいます。でも、それだと、あとでその間違いに気づいた時に必ず後悔します。
そうなってしまわないためにも、気づいたところは、積極に修正を加えていくべきというわけです。戻ることになるとしても、それはそういうもんですから。
「あっ!?なんか変!」と作品の問題点に気づいて、完成してから後悔したことが何度もあります。
意外と、作っている最中は、違和感に気づかなかったりするというのもあります。作品制作あるあるです。
そうならないために、気をつけながら、模型などと見比べながら作っていくのがかなり大事だったりします。作ってる時は一種の興奮状態だったりしますから、頭を冷やして冷静になる時間を意識的にとることも必要だったりします。
特に、最近の僕の作品は長期間にわたって作りこむものが多いので、気が抜けないですね。まだまだやるべきことが多いというのもあるけど・・・頑張ります!
以上が、今日までの作品制作風景のまとめでした。
次回も、見せれるくらいまで作業が進んだら、書きます