僕は、何度かこのブログでいろんなDIYをしたりとか、作品を作ったりの様子を紹介したりしてるんですけど、その度にコメントで「器用だよね」と言われます。
たしかに僕は、他の人よりは器用かもしれません。
けれども、実際のところ、他の人と比べて、手先の機能的な意味でそんなに違いがあるわけではありませんよ。普通です。
でも、自分でいろいろとものを作ることができるのは「左手」の使い方が上手いからだと思うんです。
利き手は右手なのですが、何かのモノ作りを行う際には、利き手とは反対側の手(左手)がかなり重要になってきます。両方の手を効率良く使えることができると、いろんな道具や工具を上手に扱うことができるようになります。もちろん、経験もあるんだけどね。
ゆえに、ちょっと大げさかもしれないけど、手先の器用さは左手が9割と言えます。
道具や工具を扱う際には左手が重要
何かを作るときには、必ずと言ってよいほど道具や工具を扱う必要があります。そして、その際には左手(利き手の反対側の手)が重要となってきます。
実は、何かの作業をするときに右手は単純な動きだけしか必要としない場合が多いのですよ。大抵の場合、反復運動がメインです。
だけど、左手と言うのは、補助的な役割で使用するものではあるのですが、意外に複雑な動きをする必要があります。加工したいものをしっかりと固定しながら作業するためにも、しっかりとした動きが要求されるものだったりするんです。
左手の動きでどう切るか決まる
わかりやすいのがハサミですね。
ハサミでものを切るとき、右と左の手はどのような動きをするでしょうか?
右手はハサミを閉じたり開いたりする動作だけです。ハサミは常に一定の方向を向いている状態です。
そして、一定の方向を向いているハサミを、切りたい角度に移動するために、左手はせわしなく動くようなことになりますね。
特に、複雑な切り絵みたいな形状を切り出そうとする場合には、左手の動きの「スムーズさ」がなくては、とてもじゃないけどできないことです。

長谷川刃物 アームレスラー ストレートロングはさみ AW-190H ブラック
- 出版社/メーカー: 長谷川刃物
- メディア: オフィス用品
- この商品を含むブログを見る
また、1つの例として、金属板を切るために使われる道具である、糸ノコなんかも左手の動きが非常に重要だったりします。
ハサミと一緒で、右手の動きは常に一定です。上下するだけの反復運動です。
しかし、左手は糸ノコの刃が進む先を決定する役割があります。また、金属板をきっちりと固定しないと、綺麗に正確に切ることはできません。
左手の使い方がしっかりしていれば、真鍮板をリンゴの皮むきみたいに、グルグルと回転させながら切っていって、細い針金みたいな状態にすることもできます。(すごい大変だったけど。)
これも、左手の使い方がしっかりしていなければできないことです。
- 刃の進む先を決定する
- 動かないように固定する
↑糸ノコやハサミの場合、左手には主に上記のような役割があります。
きっちりと道具を扱う際に左手は欠かせない存在というわけです。
ハサミと糸ノコを例として出しましたが、下記のような工具を使用する際にも左手は大活躍します。
- 鉛筆をカッターで削る
- ニッパで正確な長さにケーブルを切る
- ハンドドリルで正確に穴を開ける
- 精密ラジオペンチで針金細工を作る
- 包丁で野菜を切る
左手が自由に使えるかどうか?と言うのは、(ものを作るという行為において)器用と不器用を分ける境目だと思いますよ。
左手の代わりになるものを利用しよう
左手で、切ったり曲げたりのような加工をしたい材料をしっかりとおさえるのはすごく大事なことです。
きっちりと固定されていないと、のこぎりで木材を切るにしても、正確なカットを行うことはできないですからね。
だけど、場合によっては左手で押さえるよりもクランプ等の道具を使用するほうがより良い場合もあります。
こうすれば、左手で押さえるよりもきっちりと固定する事ができます。より一層正確にカットすることもできるし、切る早さも早くなるでしょう。

H&H 強力型Fクランプ 200mm HFC-200 823453
- 出版社/メーカー: 三共コーポレーション
- メディア: Tools & Hardware
- この商品を含むブログを見る
↑万力で真鍮棒を挟んでネジを切っているところ。
万力なども、固定するという意味では、持っているとけっこう便利ですね。万力で固定できていれば、両手で、また別の道具を使用して加工することもできますからね。
↑これは、以前やった仕事なんだけど、アンプに取り付ける真鍮製のツマミの表面に毛を彫る加工しているところです。
ここで使っているタガネなんかも、左手がすごく重要なんですよ。タガネという細い鉄の棒のような道具を左手で精密に動かして、小さな金槌で少しずつ彫っていく作業ですからね。
右手は金槌で叩くだけだから、一定の動きを繰り返せば良いけど、左手は毛の流れに沿って、細かく動かしたり、固定しなくちゃなりません。
↑完成品はこんな感じ。(すごいマニアックだよねw)
右手はただの反復運動だけど、左手はかなり繊細な動きが要求されるという例です。
それに、万力等で固定してないとできない作業ですね
とにかく、道具を使った作業をするときは加工したいものを、きっちりと固定したり、的確な角度に移動させたりということが、最も重要というわけです。
そのためには左手の使い方も重要だし、場合によってはクランプや万力などの道具をいい感じに使う経験も多少は必要ということです。

エンジニア アンヴィルバイス 口幅:50mm 最大開口:35mm TV-12
- 出版社/メーカー: エンジニア(Engineer)
- メディア: Tools & Hardware
- この商品を含むブログを見る
まとめ
「手先が器用」という言葉は、かなり安易に使われる褒め言葉ではあります。
けれども、器用にものを作ることができるというのは、実は「左手が自由に使えるかどうか?」というのがけっこう重要な要素になってくる、という話です。
実は僕、子どもの頃は左利きだったらしいんですよ。だけど、それだといろいろと不便だろうということで右利きに直されたそうです。
その名残なのかわからないけど、生活の中でも左手でしかできないことがあったりします。例えば、歯磨きですね。僕は、歯磨きは左手じゃないとできません。
でも、だからと言って、文字を書くのは左じゃできないんですけどね。だから両利きではなくて、右利きなんだけど、左手で何かの作業をするのはわりと得意な方だったりします。
ひょっとしたら、僕がいろんな道具や工具を扱うのが苦にならない理由は、そんな所にあるのかもしれません。
まあ、手先が器用で、いろんなものを器用に作ることができる人は、確実に左手の使い方が上手なはずですよ。テレビでやっている、伝統工芸の職人さんの映像などを、左手の使い方を意識して見てみるとわかりやすいかと思います。
逆に言うと、左手を上手に使って作業をすることを心がければ誰でも器用になることができるってということです。
「手先の器用さ」という能力値の大小を決定する要素として、「左手」が大部分を占めていると僕は考えています。その他は経験が少しかな。
何か道具を使って、DIYする場合には左手の動きと役割をよく考えながら作業すると、うまくいきやすいし、上達も早いですよ。