「脳みそ」をモチーフにした作品を作ってみたくなりました。まだ、本当に作るかどうかはわからないけど・・・
その理由は、はっきりとあるわけじゃないですが、最近引っ越しやら何やらで頭が一杯で、脳みそがグルグルしていたからかもしれません。なんだかこう、頭の中での考えがすっきりしない感じがしたので、そのあたりの理由を知りたかったのですよね。まあ、あまり具体的な理由があるわけではなくて、なんとなく脳みそが作りたくなっただけかもしれません。
僕が作品を作る理由の一つは、自分の頭の中を整理したいからだったりします。自分の「思考」の結晶のような存在を具現化することで、1つずつ悩み事を解決していくようなイメージです。
「脳みそ」って、人間の体のパーツの中ではかなり象徴的な存在です。何しろ、脳からの信号で人間のほとんどの行動が決定される司令塔なわけですからね。したがって、アート作品のモチーフとしてはしばしば選ばれることがあるモチーフの一つではあります。
で、すぐにでも作品を作り始めたいところですが、そうもいきません。
作品を作り始める前には、まずどんなテーマやコンセプトで作品を作っていくべきか練る必要があるのです。なぜなら、それが作品を作っていく中では最も重要な土台の部分となるからです。
そんなわけなので、「脳みそ」をテーマに作品を作るとしたら、どんなことを決めたりしなくてはならないのか?コンセプトとしてどのような要素を盛り込む必要があるのか?これらについて1つずつ考えていきながら、作品アイデアを練りたいと思います。
「脳みそ」をモチーフにした作品を作りたい
「脳みそ」は英語では「ブレイン(brain)」と呼びますよね。僕は生物学や医学の専門家ではないので、詳しいことはわかりませんが、「脳みそ」は生き物にとっての司令塔のような存在の器官であると認識しております。シナプスという神経回路を電気信号が伝達して体中のあらゆる器官に指令を送って、あらゆる生命活動が維持されたり、行われているのです。
あまりにも気持ち良い体験をした時などは「脳みそとろけそう」なんて事を言ったりしますが、この比喩も『脳みそ』というものが、人間の感覚の中枢を担っているからなのでしょうね。なので、非常にしっくり来る言葉であると個人的には思っています。
『脳みそ』という人体の最重要パーツをモチーフとして、アートな作品を作っていくとしたら、どんなアイデアが思いつくでしょうか?まずは、「脳みそ」に内包されている「要素」を抽出するところから始めていきましょう。
脳みその要素を抽出する
まずは脳みそと言う部位が僕達人間にとってどのような存在なのか?ということを抜き出して考えてみましょう。モチーフにしようとしている物体が何者なのか?ということが理解できていないと作品は作れません。そのために、脳みそにどんな要素を含まれているのか?ということを、まず最初に考えるのは大事なことです。
簡単に言うと「脳みそと言ったら?」という連想ゲームの一種ですね。
ちょっと考えただけでも、いろいろな言葉が出てきましたね。でも、これだけでは、まだ作品を作ることが出来ません。上記の中からでも良いし、また別のモチーフを追加しても良いのけれども、相性の良い組み合わせをチョイスして、ブレンドしたり加工したりとかいろいろと試行錯誤して、作品のコンセプトとなってゆくのですからね。
以前にも脳みそ作品作ったことあるよ
実は以前にも「脳みそ」をモチーフやテーマとした作品は作ったことがあります。以前作った作品を振り返るというのも、新しい作品を作る上で大切なことですよね。
これは『つながりたい脳』と言うタイトルの作品です。シナプスみたいな神経細胞が伸びて他人とつながってしまう様子を表しています。
『脳内会議』という、ちょっと病気っぽい生きものをモチーフにした作品も作りました。これは、脳内で考え過ぎちゃって身動きが取れなくなってしまった人間を表現した作品です。
最後に『ブレインクーラー』という(自分の中では)実験的な作品も作りました。これはPCのCPUクーラーで人間の頭も冷やしちゃおう!というコンセプトの作品です。
詳しくは、このブログではなくて、以前更新していたブログの方にまとめてあります。
【ブレインクーラー:制作編】頭を冷やすための方法はパソコンも人間も変わらないかもしれない – あともん
【ブレインクーラー:装着編】装着すれば怒りは消える – あともん
こうして見てみると、今までにも脳みそ系の作品はいくつか作っているのですよね。昔作った作品と内容がかぶることがないように気をつけなくては・・・
社会的な意味が必要
アートというのは、普通に目の前の風景の絵を描いたりすればOKというわけではありません。ある種の「社会的な意味」を持たせるということが重要で、それがない作品はアートとして成立しない、というのが僕の考えです。
非常に難しいところではあるのですが、例えば、その作品に込められたテーマやコンセプトが「多くの人間の共感を呼ぶ内容」だとか「時事問題を言及した内容」であることが最低条件です。そうでないと、自己満足な趣味と変わりがないからです。その作品が世の中に訴えかける「何か」を秘めていないと、おもしろくないですからねぇ。
そう考えた時に、「社会的に意味のある脳みそってなんぞや?」って感じになっちゃうのですが、脳みそみたいな象徴的なものはかなりやりやすい・・・というか、ダイレクトすぎる部分もあるかもしれません。そう考えると、脳みそアートと言うのは、簡単でシンプルなものかもしれませんね。
デジタル的な要素を盛り込む
とりあえず、今の段階で自分の中で決定している部分は作品を作るときに使用する「素材」です。ここ最近の作品は電子部品をハンダ付けすることで立体作品を制作していますので、その流れは崩したくないところです。
前回作ったのはこんな感じの作品です。これ、合計2000個以上の電子部品をハンダ付けして作った作品なのですよ。
そして、「電子部品」というのはそれ単体だけでも、非常に主張の強い素材です。ぶっちゃけてしまえば、電子部品を素材にして「何かを作る」だけでも十分に作品として成立してしまうのです。例えば「電子部品で出来ている脳みそ」とか、けっこうそれっぽいし、わりといろんなアーティストに作られてきたような雰囲気がプンプンします。攻殻機動隊とかの電脳化みたいな感じ?
なので、組み合わせる要素的には、もうちょい複雑な物を作ってみたいところなのですよね。誰かとかぶるのだけは避けなくてはなりません。
となると、必然的にさらにもう一つくらいの要素を含んだ作品を制作していきたいところなのですよね。もう一歩、複雑に要素を絡み合わせつつも、いい感じに多くの人が共感できるような内容の作品を作りたいのです。
作品のアイデアを考えるのは、パズルのピースを当てはめていくようなイメージなのですよね。
とりあえず今のところ決定している「電子部品」から連想される要素と言うと、ぱっと思いつくのは「工業」「電子機器」「インターネット」等でしょうか?とりあえず、これらの要素がテーマとして盛り込まれていくべきなのでしょうねぇ。
人間の記憶はあてにならない
そうそう!そういえば最近「しらずしらずーあなたの9割を支配する無意識」という本を読みました。
- 作者: レナード・ムロディナウ,茂木健一郎,水谷淳
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/12/13
- メディア: 単行本
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この本、ものすご~く簡単に内容をまとめると「人間の行動はほとんど無意識によって支配されてるんだよ〜」という本でした。人間の考えていることだとか、記憶と言うのはホントにあてにならないということなのですよね。
今までの人間の思考に関する印象が変わる本でした。今回の脳みそ作品のヒントになりそうです。
さあ、ここまでのところで作りたいものの形だとか方向性がなんとなく見えてきましたよ〜
とりあえず模型を作ってみた!
まあ、考えているだけでは、なかなか考えはまとまらないものですから、ここからは少し手を動かしつつ考えていくことにします。作品のアイデアスケッチをするような感じで、模型を作ってみましょう。
ちなみに、立体作品の模型作りの時によく使用されるのが油粘土というやつですね。
油粘土は、陶芸で使用するような水で練る粘土と違って、時間が経っても固まることがありません。なので、立体作品のアイデアを練るときには非常に便利な素材なのです。
しかし、欠点もあって、それはどうしても粘土で作ることが可能な形体しか作れないという点なのですよね。言葉では上手く言えないですが、重た〜い雰囲気の造形になってしまうことが多いのです。それに、手にくっつくと独特の匂いがするし、洗ってもなかなか取れないしで、個人的にはあまり好きではありません。
そこで、最近は作品の模型は、銅線をハンダ付けして作っております。太さ0.9ミリ銅線は細いですから、立体作品の量感を表現するのは非常に難しいです。けれども、逆に言うと軽やかな印象を演出しやすいので、非常に気に入っている模型製作方法なのです。
はい!とりあえず、なんとなく形になりました。まだまだ、作品の模型で適当な雰囲気だけど、銅線をいじりながら自分の頭の中では具体的なイメージを固めていきました。
そして、手を動かしていく中でなんとなく虫っぽいイメージが出てきたので、そのあたりの要素を作品に盛り込んでみることにしました。
「脳みその蚊」みたいな感じです。この写真で、わかるかな?
コンセプト
さて、まだ作品を作り始める前段階なので、非常にざっくりではありますが、ここまで書いていく間にコンセプトを考えてきました。
結果的に、コンセプトのきっかけとなったのは、人間の思考が無意識的に行われているという事実を上記で紹介した本で読んだことですね。とりあえず、考えた事を箇条書きにして記述してしましょう。『脳みそ』と『電子部品(デジタル機器)』と『蚊』を組み合わせたコンセプトです。
- 人間の思考は無意識的で、蚊のふらふらした飛び方のようだ
- さらに言うと、記憶も曖昧なもので、流動的な存在
- 人間は、「デジタル機器(PC、スマホ等)」という羽を持った瞬間に、自由にいろいろな場所に飛び回ることができるようになる
- けれども、その反面、無意識的に行動する部分も非常に多くなる
- インターネットのブラウジングや、SNS、ブログの更新などを、ある種の本能に任せて行っているのではないか?
- 現在のネットの世界は、人間の意識だけがふらふら〜っと世界中を飛び回って支配している状態なのでは?
- 「他の生物から血を吸うみたいに知識を吸収する生き物」と言う意味でも、ネット上の人間の存在は蚊に似ている
- 吸うだけじゃなくて、「痒み」を残して飛び去る時もあるよね
- それってどうなの?
うん、なんとなくまとまった気がします。「脳みそ」と「蚊」を組み合わせたようなビジュアルの造形物を、電子部品で制作することで、デジタル(インターネット)の世界との関連性を表現した作品というわけですね。
まあ、そんな感じ!
まとめ
以上が「脳みそ」をテーマに作品を作るために現時点までで考えたことです。ここまで読んでくれた人はわかったと思うのですけど、作品のコンセプトを組み立てるのってけっこう大変なのですよ。だからこそ、最初の段階で、慎重に真剣に時間をかけて作品の構想を練る必要があるのです。
この記事の最初にも書いたのですが、「脳みその蚊」を本当に作り始めるかどうかはまだ未定です。でもまあ、こうやってブログに書きながらじっくりとコンセプトを考えたわけだし、もう少しじっくり考えて問題がなければ、近いうちにこの作品の制作を始めると思います。
けれども、これから具体的にどんな手順で作るか考えなくちゃならないし、作品の材料も買い物しなくちゃならないので、すぐには作りはじめることは出来ないでしょう。・・・まだ先は長いです。
ところで、今回みたいに、作品のアイデアを考えながら長々とブログに文章を書くというのは、なかなか良いかもしれません。コンセプトを練り上げる作業って、作品制作の一連の流れの中でもかなり重要度が高い部分なのです。で、今回みたいに考えていったことを一つずつブログに書きだしていくと、徐々に次に作るべき作品のイメージが高まってきて、アイデアを出しやすいかもですね。
ブログでアイデアスケッチしているみたいで、おもしろかったです。
実は、この2ヶ月くらいの引っ越しやら何やらで私生活がバタバタしていまして、作品制作をすることが出来ませんでした。まあ、これは覚悟していたことではありましたが、環境が落ち着くまでにこんなにも時間がかかるとは思いませんでした。
まあ、最近は、このブログに集中して取り組んでいたからというのもありますけどね。ブログも頑張らねば!
そんなわけで、新しい住居に引っ越してから初めての制作が始まりそうです。このブログでも、ちょいちょい制作の様子なども紹介していこうと思っていますので、よろしくおねがいしますね〜