MIKINOTE

作品制作とその他思った事を書くブログ

電池&アンプ内蔵ポータブルスピーカーを自作したら想像以上に便利だった

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こういうスピーカーを作りたい。

実は、事情がありまして今後、屋外というか屋内というか・・・とにかく自宅外での作業をする機会が増えそうなので、そのときに使うことができるように、持ち運びができるスピーカーがほしいと思いました。

左右が分かれていると持ち運びにくいので、左右一体型で。

自宅外に持っていくときは車で持っていくのでサイズはそこそこ大きめでもいいけど、アンプを持ち運ぶのは面倒なのでアンプはスピーカーに内蔵させる。

そして、現場にコンセントがないかもしれないので、電池でも動くようにしたい。

と、そんなコンセプトで電池&アンプ内蔵のポータブルスピーカーをの設計とデザインをして作ってみることにしました。

初めてやるような作業も多く、試行錯誤しながらいろいろと苦労もしたのですが最終的にはかなりいい感じに完成させることができました。まだ外に持ち出せてはいないのですが、電源ケーブルなしで持ち運びできる良い音のスピーカーは想像以上に便利です。

そんなわけなので、設計〜製作〜完成までの工程について書いていこうと思います。

<目次>

設計

今回のスピーカーは設計から製作まで全部自分でやってみました。

アンプやバッテリーを内蔵させて電源スイッチやLEDなどの機能も持たせたかったので、それらをいい感じに収めつつデザインを考えるのが大変でした。

コンセプト

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最初にイメージしたのが上記の絵のような感じのデザインです。

アンプを搭載しているのでアクティブスピーカーということになるですが、電池で動いて電源がないところもでも使えるものを目指すのでポータブルスピーカーと呼んだ方が良いような気がします。前面と背面に真鍮の板でパネルを作って、そこにトグルスイッチや音声入力のミニジャックを取り付けて、スイッチをオンにするとLEDが光ります。

また、ちょっと欲張りかもしれないのですが、電池だけでなくコンセントに挿したACアダプタでも使えるようにもしたいです。環境によって電池とACアダプタで切り替えることができたら便利そうじゃない?

それと、MacBookをスピーカーの上に置いてYoutubeとかを見たりAmazonPrimeミュージックをたれ流したりするような使い方もできるように、上面は平らにしてノートPCなどを置くことができるデザインにしたいです。

とまあ、そんな感じのコンセプトで作ろうと思って構造などを3ヶ月前くらいからぼんやりと考え始めました。

しかし、これまで作ってきたスピーカーと違って、今回のスピーカーは内部の構造や仕組みが複雑です。設計をいろいろと細かく考えていくといくつかの問題点や、どうすればよいかわからない点が浮上してきました。

問題点

この時点での問題点やよくわからない点は大雑把に言うと以下の5つです。

  1. 電池をどこに入れるか?
  2. アンプ部を開けることができる構造にしたい。
  3. LEDを2種類の電源で切り替えるにはどんな配線にすればよいか?
  4. 持ち手がほしいけどどうすればよいか?
  5. エンクロージャーの内部構造を左右を分けるべきか?一緒にするべきか?

これらを解決するためにいろいろと考えていくことにしましょう。

1. 電池の場所と蓋の開閉

まず、一番迷ったのが、電池を入れる場所です。

電池は切れるたびに入れ替えをしなくてはなりませんから、簡単に出し入れできる箇所に装着するようにしなくてはなりません。それに、電池がむき出しの状態ではかっこ悪いですから、簡単に開閉可能な蓋を用意する必要もあります。

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電池の蓋についていろいろ考えた図。最初は背面側に電池を入れられるようしようとしていた。

最初、電池はスピーカーの背面側のどこかにセットしようと考えました。手回しのネジで蓋を取り外して開け締めできるような構造です。しかし、背面側だとアンプ部分の隙間にどうしても無駄が出てしまったり、箱の内部構造も複雑になってしまい、スマートな感じの設計を考えることができませんでした。

そこで、少し考え方を変えて上面のアンプ部分を入れ込む隙間のどこかに電池入れるのはどうだろうと考えました。電池やアンプなどの機械を全部1つの部屋にまとめてしまう作戦ですね。これなら比較的シンプルな構造にすることができそうです。

しかし、そうなると電池の蓋が上部に来るわけなので、その出っ張りが邪魔をしてスピーカーの上面にノートPCなどを置くことができなくなってしまうという問題に気づきました。できれば、上面はフラットな状態にしたいんだよなあ・・・

クラスプという彫金の技法で作ることができる指で押すとパカっと開くようなジュエリーなどで使う金具があるのですが、その技術を応用して出っ張りが出なくて簡単に開閉できるような構造にすることも考えました。しかし、それはそれで加工が難しいし、それだけのためにものすごく時間がかかってしまう作業になってしまいます。(それだけで記事が1つ書けるくらい大変になりそう・・・)

となるとやはり手回しネジを使って蓋の開閉を行うような方法しか思いつきません。しかし、そのためには電池を入れる箇所がスピーカーの上面よりも少し凹んでいるような構造になっている必要がありそうです。

2. アンプ部にアクセス可能な構造

スピーカーの内側に搭載するアンプは、以前作ったアンプみたいな感じで、アンプボードを買ってそれを使用することにしました。

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ネットで、手作りのアンプ搭載のアクティブスピーカーのことを調べてみると、小型のデジタルアンプをそのまま埋め込むような人もいるようですね。アマゾンなどで買える中華製の安いアンプです。

しかし、それではアンプのケース等の部分等が無駄なので、スペースを余計に食ってしまうことになります。また、見た目的にも「あ、あのよく見る中華アンプをそのまま使ってるな」という感じが凄く出てしまうので、避けたいところです。

その点、プリント基板に部品がついているだけのアンプボードならば、ハンダ付けなどの造作をする必要はありますが、余計なケース等がないので省スペースが可能になるはずです。音質的にも安価な中華アンプと比べても同じようなものですし、ひょっとしたらハンダや内部配線などをオーディオ用の良いものを使うだけでも多少の音質アップも可能かもしれません。

しかし、こういうパーツを使って作った場合、怖いのが故障したときです。スピーカーユニットなんかも時間が経つとボロくなって交換が必要になる可能性もありますが、アンプ部分も同じはずです。むしろ、中国製の安いアンプボードを使うわけですからスピーカーユニットよりも壊れやすそうな気もします。

そうなると修理&交換などをしなくちゃならないわけで、アンプ部にも簡単にアクセスできるような構造にしておく必要があるというわけですね。

当初描いたイメージ図では、ほぼ完全に木材でアンプ部を封じ込めてしまうようなデザインでした。なので、アンプ部へのアクセスに関してはもう少し工夫する必要があります。

3. LEDの配線

今回のスピーカーはアンプ部の電源として電池を使って、コンセントのない場所でも使うことにできるようします。

しかし、コンセントがあるところでは普通にコンセントにACアダプタをつけて使えるようにもしたいです。電池だけだとバッテリーがなくなるたびに毎回交換したり充電したりしなくてはならないので面倒ですから。

なので、このスピーカーは電池とACアダプタの両方で動くようにできるようにしたいと思います。

そして、電源をオンにしたときには、LEDが光るようにもしたいです。スイッチオンでLEDがピカッと光ったらそれっぽいじゃないですか。

また、2つのLEDを取り付けて、2つの電源が切り替わるときに光るLEDを切り替えるようできると更にそれっぽいですね。

しかし、僕は電子工作に関しては初心者なので、正直言ってどのパーツをどこにつなげればよいのかわかりません。一応ネットで調べてもみたのですが、アンプに1つのLEDを取り付けて電源オンと同時に光らせるという記事はあっても、2つの電源で光るLEDを切り替えるという内容の記事を見つけることはできませんでした、

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前にアンプボードで作ったアンプ。LEDが光るように改造してみました。

一応、前に作ったアンプを改造してLEDを光るようにしてうまくいったので、まあなんとかなるかな!という感じで、なんとなく自分なりに配線を考えてぶっつけ本番でやってみることにしました。

まあ、失敗してひどい事になってしまったのですが・・・うまくいったアンプはLEDが1つしか必要なかったので単純で良かったんですけどね。それで、気を良くして見切り発車をしてしまいました。

その話はこの記事の後半で書きます。

4. 持ち手

今回作るスピーカーは持ち運んで使うことを前提としているポータブルスピーカーです。スピーカーユニットは以前買っておいた8cmのフルレンジユニットを使います。

しかし、片方に一つだけのフルレンジユニットを使って、ある程度しっかりした低音を出すためにはそこそこの大きさも必要になってしまうでしょう。今回使用する予定のユニットだったら予想だと片方だけで3L前後くらいのエンクロージャーの容量がほしいところです。

となると、車で持ち運んで使うにしても家の中で持ち運んで使うにしても、持ちやすいように持ち手のようなパーツが合ったほうが良いかなと思われます。

持ち手というと、タンスの金具みたいなのを作って取り付けても良いのですが、なんとなくスマートじゃない感じがしますよね。金具の分だけ横に出っ張ってしまうわけですし・・・

というわけで、持ち手をどんなものにするか?ということも工夫する必要がありそうです。

5. 左右一体型スピーカーの内部構造

左右一体型のスピーカーってどんな内部構造になっているのでしょうか?左右の部屋は分かれているのでしょうか?それとも1つの部屋だけ?

今までスピーカーを自作するときは普通によくあるタイプの、左右が分かれているパッシブスピーカーを作っていたのであまり考えたことはなかったのですが、実際に設計して制作するとなると非常に重大な問題です。

一応これも調べてみたのですが、左右一体型のスピーカーを作る人は少ないようで、どちらが正解なのかはっきりしません。それに、数少ない情報の中にも、内部が別と一緒の両方のパターンがあるようです。ひょっとしたら正解なんてものはないのかもしれません。

それに、もしも左右が1つの部屋だけの構造だとしたらどうやって容量の計算したらいいのか?ということも情報が出てきませんでした。左右が分かれていれば、普通のバスレフスピーカーと同じ考え方で容量を決めれば良いと思うのですが、左右が一体になっていたらどうなのでしょうか?

ひょっとしたら、部屋が1つのほうが容量を少なめに設定して小型化できたりするのかな?とかも思ったのですが、よくわかりません。

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いろいろと考えたのですが、どこかで「左右が別で分かれていないとステレオ感がなくなる」という内容のことが書かれていたのを見つけたので、なるほど・・・では音質重視だ!ということで、最終的には左右が分かれている構造で作ってみることにしました。

これだったら普通のバスレフスピーカーと同じ計算で大きさを決めれば問題ないはずです。

デザインを練り直す

てなわけで、いろいろと問題点を解決した結果考えたイメージ図がこちらです。

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けっこうデザイン変わりました。

まず、スピーカーの真ん中に凹みを作り、そこにアンプ部と電池の場所は真鍮板を穴あけ加工してコの字型に曲げたものを上面にネジ止めします。そこに、手回しネジで電池の蓋を取り付けるような形にしました。あとで詳しく工程を説明していきますが、組み立ての都合上、前面と背面のパネルは2重構造にします。

こうすることで、凹みの内側が出っ張るだけなので上面はフラットな状態になります。真ん中は凹みますが、余計な出っ張りがない平面の状態になるので、ノートPCなどを普通に置くことができるようになるというわけです。

それと、バスレフポートの場所を側面に移動しました。

このバスレフポートは指を突っ込むことができるくらいのサイズと形で、このバスレフポートが持ち手になります。これだったら、見た目的にもシンプルですし、金具を取り付けないので出っ張ることもありません。

LEDは2つ取り付けます。使用するトグルスイッチはON-OFF-ONの3ポジションのスイッチで、真ん中がOFFで、上下でACアダプタと電池を切り替えてそれと同時にLEDを光り分けるようにします。

こうやってブログで書いちゃうと一瞬なのですが、ここまで考えがまとまるまでに2ヶ月くらいかかってしまいました。

いろいろと悩んだのですが、こんな感じのデザインで作っていくことに決定しました。

寸法を決める

さて、デザインは決まったので寸法を決めていかなくてはなりません。

スピーカー作りで最も大事なのは見た目ではなくて、音質ですよね。そしてその音質はスピーカーユニットを収めるエンクロージャー(スピーカーボックス)で決まると言っても過言ではありません。

材料や作りの丁寧さでも音質は変化するのですが、まず最初に一番根本的なところでエンクロージャーの容量を決めなくちゃなりません。なぜなら、エンクロージャーとバスレフポートの大きさで低音の量や出方がまるっきり変わってしまうからです。

今回作るようなバスレフ方式のスピーカーの場合、計算式があって、設計の理論が確立されています。

その式を使って計算すればエンクロージャーの大きさを算出できるのですが、僕は数学が苦手なのでSpedというスピーカーのエンクロージャーの容量計算ソフトを使って算出してみました。

www7b.biglobe.ne.jp

いつも使っているMacだと動かないソフトなので、古いWindowsのノートPCを引っ張り出してきて使ってみました。

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たぶんグラフの線がフラットな感じになっていれば大丈夫だと思う。

いろいろ試した結果、エンクロージャーの片方分の容量が、アンプや電池を入れるスペースを除くと3.3Lくらいで、バスレフボートのサイズが20mm×40mm×奥行き220mmという感じで作れば、音がフラットな感じになるっぽいことがわかりました。

この寸法でエンクロージャーの設計や組み立て方を考えてみることにします。

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本当はCADとかでやればよいのでしょうが、持ってないのでIllustratorでやってみました。アンプボードや電池ケースの場所などもこの段階で全部決めておきます。

これで作る寸法と構造が決まりました。あとは、この図を元に使用する板材の寸法を割り出して、カットしてもらえばOKです。

材料を用意する

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てなわけで、こちらが今回使用する主な材料となります。

板材

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板材は東急ハンズで購入して寸法を指定してカットしてもらいました。家にテーブルソーみたいな木材を正確にカットできる工具が無いので、頼んでしまったほうが自分で切るよりも正確だし、楽です。まあ・・・実は持っていったカットの図に不備があって、いくつかのパーツは自分で切り直さなくちゃならなくなったんですけどね・・・

アンプボード

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スピーカーの内部に仕込むアンプボード例の以前作ったアンプと同じ900円のものを買ってみました。

Amazonなどを検索してみると、アンプボードと一言で言っても、たくさんの製品が売られています。しかし、その中でまたもやこのアンプボードを選んだのにはいくつかの理由があります。それは電圧が9V〜14Vで駆動するアンプボードだからです。

電池は、できればエネループなどのように、充電可能なニッケル水素電池をメインで使いたいです。そうでないと電池が切れるたびに新品の電池を買い直さなくてはなりません。我が家には一度に4個の電池が充電できる充電器が2つあるので、合計で8個のニッケル水素電池ならば一度で充電ができます。故に、このスピーカーに使う電池の数も8個に設定したいところです。

普通のアルカリ電池は1.5Vですが、ニッケル水素電池は1.2Vなのだそうです。つまり、1.2V×8=9.6Vです。となると、例えば駆動する電圧が12V以上のアンプボードだと使うことができません。

その点、この900円のアンプボードならば必要な電圧は足りていますし、もしも仮に普通のアルカリ電池を使用するとしても1.5V×8=12Vなので電圧が高すぎるということもありません。

一応Amazonなどで頑張って検索して探したのですが、他にこの条件に当てはまるアンプボードは意外に少なかったので、少し芸がないと思いつつも前回と同じこのアンプボードを選んだというわけです。

スピーカーユニット

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スピーカーユニットはTangbandの8cmフルレンジユニットの「W3-582SC」を使うことにします。

これは以前ウイスキーボトルのスピーカーを作ったときにコイズミ無線で買っておいた中の1つです。

www.koizumi-musen.com

www.mikinote.com

電池ケース、スイッチ等

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電池ケースやスイッチやミニジャック、DCジャック等は秋月電子で買いました。

akizukidenshi.com

LEDや抵抗は以前買っておいたものが使えそうだったので、今回新しく買ったというわけではありません。いろいろ材料のストックがあると、いつか役に立つときが来るのですね。

手回しネジ

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電池の出し入れする部分に使用する手回しネジも買いました。電池の出し入れをする際には、このネジを指で回して蓋を取ったりつけたりします。

これはヨドバシカメラのネット通販でちょうど良いものが売られているのを発見して、ポイントもあったのでそちらで購入してみました。

ネジの部分の長さが6mmで短めのものを選んだので、ネジを回すのもそれほど苦労しないはずです。作りも良くてシンプルなので悪くないと思います。

ちなみに電池はAmazonでTOSHIBAのImpulseが安かったので買ってみました。

真鍮板

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最後に、アンプ部のカバーとして使う真鍮板です。曲げ加工が必要なので、0.8mm厚でちょうどよい大きさの板が家にあったのでこれを使用することにしました。(電池の出し入れをする蓋の部分だけは1.2mm厚の真鍮板を使います。)

その他

使用する主な材料は以上です。

その他ににも内部配線用のケーブルやネジなど、いろいろと細々したものをを使用します。あ、それとシナ合板を塗装する塗料なんかも買ったのですが、これは塗装の工程で登場してきます。

大抵は以前、何かのときに買って余っていたものを使っていく感じになります。材料のストックがあると、作るときに新しく買うものが減るので良いですね。

エンクロージャー製作

あとは作っていくだけです。

作業の順番としては、まず最初にエンクロージャーの製作からやっていくことにしようと思います。

穴あけ

ハンズで切ってもらったシナ合板にスピーカーユニットやバスレフポートの穴を開ける作業をします。それと、ついでに寸法を間違えてしまった部分を自分で切る作業もやってしまうことにします。

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穴あけの箇所とカットする箇所に鉛筆で印をつけました。

ユニットを入れる穴を開ける

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スピーカーユニット用の下穴を開けているところです。

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インパクトドライバー用の自在錐です。比較的大きな面積で刃物が高速回転するので使うときは気をつけないとめちゃくちゃ怖いです。

穴を開ける板の表側から穴を開け始めて、ある程度すすんだら板をひっくり返して裏側から穴あけをします。それが、自在錐でバリが出ないようにきれいに穴あけをするコツです。

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うまくいきました。

長方形の穴あけ

普通に丸く穴を開けるだけで良い箇所は工具を使えば一発でできるので簡単なのですが、ちょっと厄介なのが長方形の穴を開ける必要があるバスレフポートです。ここはボール盤で下穴を開けてから、ジグソーで切り出していくことにします。

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バスレフポートの長方形の穴の下穴はこんなもんで良いでしょう。

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穴を開けたところに、ジグソーの刃を入れて四角く切ります。うちのジグソーはちょっと調子が悪いのか刃が寿命なのかよくわかりませんが、垂直にまっすぐ切ることができないので、あとでヤスリなどを使ってきれいに形を整えることにします。

エンクロージャー前面と背面のアンプを搭載する箇所も、下穴を開けたあとジグソーを使って四角い切り欠きを作りました。

寸法の間違えを修正

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寸法を間違えていた板と足りなかった板は、丸鋸を使って端材をカットし直してなんとかしました。

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これらが寸法間違え修正分の板材です。ちょっと、切断面がガタガタしてしまった部分もありますが、使えそうです。

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以上で板材の穴あけとカット作業は終了です。

写真を取り忘れましたが、他にもアンプボードに接続したスピーカーケーブルを通すための穴を開けたりする作業もしたりしています。

穴の周囲をなめらかにする

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スピーカーユニットを入れる丸い穴の内側はそのままでも良いのですが、少し削って角をなめらかに落としておいたほうが音質的に良さそうな気がするので、ヤスリで削る作業をしていきます。

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木工用の荒いヤスリを使って大雑把に削ります。

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こんな感じになりました。内側で見えない箇所なので、きれいに磨く必要はないので、こんな感じのざっくりとした仕上げでOKだと思います。

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他の穴も、バリが出ているところは軽くヤスリがけをして取りました。

板材の接着

次は加工した板材を接着して箱の形に組み立てていく作業です。

今回のスピーカーは左右が一体になっているスピーカーです。なので、普通のシンプルなスピーカーユニットを取り付ける穴があいていてバスレフポートがついているだけのシンプルなエンクロージャーとは違って、内部構造が少し複雑なものになっています。

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接着はタイトボンド(木工用のボンド)を多めにまんべんなく塗って、ハタガネやクランプで固定して接着をします。

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ボンドが乾く前に隙間や板同士の食い違いがないように調整してから、この状態でしばらく放置します。

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ボンドが乾きました。

またもや寸法が間違っていた

箱状の形ができたところで、他の板材がちゃんと組み立てられるのかチェックしたところ問題が発覚しました。

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なんと、またもやカットの寸法が間違っていたことが発覚しました。このアンプを乗せる場所の切り欠きが少し小さかったのですね。また、土台となる板と前面の板との段差も気になります。

今回は、構造が複雑だからなのかこういう単純なミスが結構多かったです。まあ、これは自分で切ればなんとかなる部分なので、気を取り直して寸法の調整をします。

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のこぎりで左右1cmくらいずつ角を落として、少しヤスリがけをして形を整えます。

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今度はほとんど問題なくピッタリつけられそうです。

バスレフポートの組み立てと接着

バスレフポートは、まず細かいパーツを接着して組み立て→本体に接着する・・・というようなような手順になります。

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4枚×2の板で四角い長方形の筒状のポートを作ります。

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これは、以前何かに使って余っていた断面がL字型の木の棒です。これをこんな感じで細かく切断して、ポートの根本の部分を補強するために使おうと思います。

バスレフポートはそのままペタッと本体に貼り付けるだけでも良かったのですが、それだけだとなんとなく根本の強度が弱い気がしました。

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こんな感じで、接着する面積を増やせばかなり丈夫になります。少し補強をして内側の見えないところもがっちりと作っておいた方が、音質的にも良い影響があるかもしれません。

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ボンドが乾けば組み立て完了です。

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角張っている部分はヤスリで削ってなめらかにしておきます。ここは見えないところなので、ざっくりと粗いままのかんじでOKです。

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本体に接着します。

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ボンドが乾いたらクランプを取り外して接着完了です。

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以上でバスレフポートの接着は完了です。

アンプ搭載部分の接着

次はアンプを搭載する部分のパーツを組み立てて、本体に接着する作業です。

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まず、アンプ部の側面の板を接着していきます。細かいパーツなので固定は洗濯バサミみたいな小さなクランプを使いました。

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ボンドが乾いて接着は完了しました。しかし、板の真ん中に穴を開けてしまったために、スピーカーケーブルを通すための穴が半分塞がれている状態になってしまっています。

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そこで、ちゃんと穴が貫通するようにボール盤で穴あけをし直します。

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これでOK。

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アンプを乗せる板に接着します。これで、アンプボードから伸びたスピーカーケーブルをスピーカーユニットのある部屋に通すことができるというわけです。

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いつも通り、ボンドを塗って固定してしばらく放置して完成です。本体に接着していきます。

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まず、部屋を分けるための垂直な板にボンドをつけて本体の真ん中に立てます。

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その上に先程組み立てたパーツを乗せて、クランプとハタ金でガッチリと固定します。

隙間を塞いで補強する

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あとはボンドが乾けば、エンクロージャーの大体の形ができたことになるのですが、最後のパーツを接着したところをよく見ると、微妙に隙間が空いているのを発見しました。

この垂直の板のパーツなどは、自分でのこぎりなどを使用して大きさを調整した部分なんですよねえ。だから、このくらいの隙間が空くのは仕方ないことなのかもしれません。しかし、隙間が空いている状態で放置すると音質的にも良くない影響が出てくる可能性があります。

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そこで、ボンドが乾かないうちに、バスレフポートのときと同じL字の角棒で補強して、隙間を埋めました。これで問題ないはず・・・

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ボンドが乾いたら、固定していたクランプやハタ金を取り外します。だいぶ形になってきました。

エンクロージャー組み立ての作業の残りとしては、上部の蓋を閉じるだけで終了です。

しかしその前に、吸音材を入れたり、音質のチェックをしたり調整したりなど、いくつかやらなくてはならない作業があります。

吸音材の貼付け

蓋を閉じる前に忘れずにやらなくてはならない作業の1つが吸音材の貼付けです。

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吸音材は以前買って以来ずっと余っているミクロンウールを適当にカットして使います。

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こんな感じで適当にボンドを塗って・・・

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ミクロンウールを貼り付けていきます。こんな感じで他の箇所にも貼り付けを行います。

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とりあえず、こんな感じにしてみました。

吸音材の量も音質に影響が出てくるので、このくらいの量で良いのかはこの段階ではなんとも言えないところではあります。でも、吸音材の量はあとで調整することもできるので、とりあえずはこんな感じでよいということにしておきます。

ポートの外側の形を整える

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バスレフポートの外側はジグソーで自分で穴あけをしたので、穴の内部がかなりガタガタしてしまっています。

この部分は、あとできれいに整えても良いのですが、このあとの音質チェックで多少の影響があるかもしれないので、今のうちにヤスリで削ってきれいにしておきます。

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こんな感じで、ホーン程じゃないけどホーンみたいな感じで、多少外側に向かって広がるような感じの形に削ってみました。完成後はこのバスレフポートは持ち手の代わりにもなるのですが、なめらかな形なので指を入れて触ると触感が気持ち良いです。

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実は反対側のポートは、穴あけのときに少しバリバリっとしてしまって、切断面が汚くなってしまったのですが、これはこれで味があるということにして諦めることにしました。

組み立て完了前の音質チェック

今回のスピーカーは設計から自分で考えた完全なオリジナルのスピーカーです。ですので、この寸法で音質的に本当に大丈夫なのか?というのは実のところ自信はありません。

そこで、蓋を閉じる前の、まだ多少の調整が可能な段階で、スピーカーユニットを仮付けして音質のチェックをすることにしました。

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スピーカーユニットを仮付けするために、ユニットをはめ込んでネジの位置に印をつけて、一旦ユニットを取り外します。

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ハンドドリルで下穴を開けます。

今回は2mmのドリル刃で穴あけをした後、4mmのドリル刃で下穴の表面だけ少し多めに削り取ってみました。いわゆる皿モミみたいなことをしてみたというわけですね。こうすることで、木ネジをねじ込んだ箇所の盛り上がりを少なくすることができるので、よりピッタリと隙間なくスピーカーユニットを装着することができるようになるはずです。

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余っていた適当な長さのスピーカーケーブルをスピーカーユニットに接続します。あくまで仮付けなので、すぐに取り外しができるようにこの段階での接続にはファストン端子を使用しました。

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ユニットをはめ込みつつ、ケーブルを通すための穴に通します。

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スピーカーユニットのネジ止めします。これも仮付けなので、本番よりも小さめのネジを使って、最終的にネジ穴がゆるゆるにならないように配慮しています。

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上面の板は、クランプで固定してみました。

ケーブルを通した穴は隙間が空いてしまっているので、ひっつき虫(仮止め用の練り消しみたいなやつ)で隙間を塞ぎます。

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なんかすごい見た目だけど・・・アンプとプレイヤーをケーブルにセットしたら準備完了です。

以前作ったこのアンプは、何度も同じことを言いますが今回使用するアンプボードと同じものを使用しているので、音質チェックするのには良いと思います。関係ないけど、アンプとプレイヤーを繋ぐmini-miniケーブルも使いやすい長さのを作らなくちゃなあ・・・

というわけで音を出してみます。

・・・いろいろなジャンルの音楽でテストしてみたのですが、悪くないですね。特に何も調整をしなくても、このままいけそうなバランスの音に感じます。

少し音が硬いような印象があるけど、これは上面の板を固定するためにクランプでガッチリ固定してしまっているせいで、エンクロージャーの響きみたいなのが抑えられているからかもしれません。

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音はこのままで大丈夫っぽいので、ユニットなどを取り外して、このまま次の段階の工程に進んでいきたいと思います。

板材の接着完了

上面の板の接着をします。

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例によって、ボンドでクランプとハタ金を大量に使って接着します。

いつもそうなのだけど、手持ちのクランプとハタ金でどこをどう固定したら、隙間なく接着ができるか考えながら工夫するのはパズルっぽい感じがしてけっこう楽しいです。

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ボンドが乾いたら板材の接着は全て完了となります。

表面を磨く

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表面をきれいにするためにサンダーで削ります。

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少し微妙な力の加減が必要そうなところは、電動工具を使わず手作業でしあげていきます。

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角がビシッと尖っていると触ったときに痛い感じになるので、ある程度エッジをなめらかに加工しときました。

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シナ合板で組み立てた箱を#400くらいの紙やすりできれいに磨くと、すべすべして非常に気持ち良いです。

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このような感じで、#100くらいの紙やすりから#400の紙やすりで、徐々に番手を細かくしながら全体をきれいに磨いていきました。

塗装

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塗装はワトコオイルで行います。どの色にするか迷ったのですが、「マホガニー」という色のワトコオイルを買って使ってみることにしました。

ワトコオイル マホガニー W-09 1L

ワトコオイル マホガニー W-09 1L

ワトコオイルは、木の質感を活かした感じの雰囲気の仕上がりで、塗装作業が比較的簡単なのが良いですね。

塗装の手順としては、普通に刷毛で塗るだけでも良いのですが、今回はウェット研磨という技法を取り入れて、より丁寧に仕上げることにしました。

ウェット研磨というのは、ワトコが乾いていない濡れた状態で耐水ペーパーで表面を磨いていく研磨方法だそうです。

www.hoxan.co.jp

※今回は自分なりにアレンジした手順でやってしまっているので、基本のやり方については上記のリンクを見るとわかりやすいかと思います。

1回目

では、やっていきます。

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まず、刷毛でざっくりとワトコオイルを塗ります。

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ワトコオイルのマホガニーという色は初めて使ってみたのですが、思ったよりも赤っぽい茶色っていう感じの色でした。(乾いて時間が経つともう少し色が落ち着いてきます。)

真鍮の色と合いそうな雰囲気があるので、良いのではないでしょうか。

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細かい部分は細い筆で塗ります。

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全体に塗り終わった直後です。まだ濡れた状態です。

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この濡れた状態のまま、#400の耐水ペーパー紙やすりで表面をまんべんなく磨いていきます。素手だと塗料が手についてしまうので、ニトリル手袋をはめて作業しています。

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全体に#400の耐水ペーパーをかけ終わったところです。普通に塗っただけの場合よりも、なめらかな雰囲気がありますね。

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表面に残った余分なワトコオイルをウエスで拭き取ります。

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以上で1回目の塗り完了です。

2回目

30分ほど放置してから、この工程を今回はもう一度繰り返しました。

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ウェット研磨終了。拭き取り作業をして仕上げです。

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すごくいい感じに仕上がった気がします。ウェット研磨すごい!

f:id:takayukimiki:20181110215404j:plain このまま、丸一日以上放置して乾燥させて、塗装が完了となります。

真鍮製のカバーの製作

今回のスピーカーは左右一体型でアンプ内蔵なので、用意しなくては作らなくてはならないパーツも普通のスピーカーよりも多いです。なので、どこかのパーツが故障しておかしくなったときも交換したり修理できるように、ある程度分解可能にしておく方が良いと思います。

特にアンプボードを搭載する部分は、_故障時に開けることができるようにしたい__ということは、この記事の最初のほうで書きました。

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で、それをなんとかするために、このような真鍮の板を加工して、いざというときは取り外すことができる真鍮製のカバーのようなパーツを制作して、装着することにしてみました。

実はこのカバー、すごくめんどくさいのですがジャックやスイッチなどの取り付けの手順を考えると、前面と背面のパネルを2重構造にする必要がありそうです。

構造と組み立て手順を考えるのが意外と難しかったんですよねえ。

糸鋸で切る

まず、用意した真鍮板をちょうど良い大きさに糸鋸で切断していきます。

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切る場所にケガキ針で印をつけて・・・

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糸鋸で切ります。

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今回用意した真鍮板は、横幅が1mmほど大きかった(惜しい!)ので、すごく微妙なところなのだけど、細く糸鋸で切って調整しました。たぶん、ヤスリで削って大きさを合わせるよりも、慣れていればこういう感じで糸鋸で切るほうが仕事が正確で早いと思います。

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必要な真鍮板のパーツを切り出すことができました。

穴あけ

スイッチやジャックなどを装着することができるように、丸い穴を開けていきます。

ただし、我が家にある卓上ボール盤だと使用できるドリル刃のサイズが最大で6mm程度なので、10mmとかの大きさの穴を開けることはできません。

なので、穴の大きさがそれよりも大きな穴が必要な箇所は糸鋸を使って切り抜いて加工します。

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まず、ノコ刃が通るように、小さめの穴を開けます。

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ボール盤で開けた小さな穴にノコ刃を通して、真鍮板を回しながら切り抜いていきます。

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こんな感じで、小さな穴あけ→糸鋸で切り回し、という作業を必要な穴の分だけくりかえします。

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4mmとかの小さめの穴のところは、普通にボール盤で穴あけをします。

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以上で穴あけの作業は完了です。

形を整える

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ヤスリで形を整えるついでに、エンクロージャーにはめ込むことができるように微調整します。

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少し調整しました。ぴったりすぎるくらいの感じですが・・・大丈夫そうです。

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先程、糸鋸で切り抜いた丸い穴も、ちゃんときれいな円に見えるようにヤスリで余計なガタガタを削ります。

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穴の内側は、仕上げにリューターで磨いて断面をきれいにします。

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前面と背面のパネルは2重構造になるように重ねて使います。なので、ボルトとナットで仮止めして、ピッタリと合わさるように固定してからヤスリで削ります。

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こんな感じでOKでしょう。

表面を磨く

真鍮板の表面は#80くらいの荒目の紙やすりで、もじゃもじゃっとしたような感じのヘアラインっぽい加工にします。

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まず、適当な大きさの木の板に紙やすりを巻き付けて、大きなバリなどを削りとります。

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表面が大体きれいになったら、仕上げに小さめにカットした紙やすりを手に持って、円を描くように丁寧に磨いていきます。

工業製品でよくある一定方向のビシッとしたヘアライン加工でも良かったのですが、今回は手作りっぽい雰囲気を大事にしたかったので金属だけど手作りの温かみのあるような印象の表面にしてみました。

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以上で、真鍮板の表面の磨きは終了です。

曲げる

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曲げ加工はベンダーで行います。これ、卓上で使えるくらいの小型のベンダーなので、あまり分厚い板には使うことができないのですが、この0.8mm程度の真鍮板ならば十分に使えます。

ホーザン(HOZAN) メタルベンダー 板金折り曲げ機 K-130

ホーザン(HOZAN) メタルベンダー 板金折り曲げ機 K-130

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真鍮板の折り曲げたい箇所にケガキで印をつけて、挟み込んで固定します。ベンダーのネジだけでなく、別でクランプも使ってガッチリと固定した方がきれいに直角に曲げることができると思います。

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持ち手を持ち上げて、直角に曲げます。

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前面側と背面側の2箇所を折り曲げたらほぼ完成です。

電池カバーにナットを接着する

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最後に仕上げに電池ケースの収まる場所に開けた4つの穴のちょうど裏側にナットをエポキシ接着剤で接着しました。

この部分に蓋のパーツを乗せて、手回しネジを使用することで、電池部分の開け閉めができるようになります。

アンプ部の製作

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アンプボードや電池ケースの配置はだいたいこんな感じです。エンクロージャーの隙間にちょうどよくピッタリと収まるように考えてみました。

ここからの工程は、これらのパーツをエンクロージャーや真鍮板に固定する作業をおこなっていきます。

下準備

まずは、配線などのメインの作業をする前の下準備です。

電池ケースにネジの穴を開ける

電池ケースは木ねじを使用して本体に固定します。

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ネジをねじ込むことができるように、プラスチック製の電池ケースの底面に穴を開けてみました。ネジの頭が出っ張らないように皿モミしてあります。

ちなみに穴が一つだけ大きいのは、皿モミしようとしたら誤ってそのまま貫通させてしまって、それをごまかすために、もう一段階大きな穴を開けたからです。(ネジも一つだけ大きなものを使うことにしました・・・)

パネルに部品をつける

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真鍮製の前面と背面のパネルにスイッチやDCジャック、ミニジャックなどの部品を取り付けておきます。

これらは、ネジを締めるだけで取り付けることができるので簡単ですね。

アンプボードの余計な部品を取る

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このアンプボードには、はんだ付けなどをしなくてもネジを締めるだけでスピーカーケーブルなどを接続することができる部品がついています。ですが、この部品、正直なところあまり質が良いものには見えません。

写真には写っていませんが、ケーブルを差し込む部分などは赤錆が出ていたりします。こういうのがあると、音質的にもあまりよろしくないのではないかと思うんですよねえ・・・

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なので、これらはハンダごてで温めて、ハンダ吸い取り線でハンダを吸い取って、取り外してしまいました。(以前のアンプ作りのときはめんどくさくて取らなかった。)

おそらく、基板に直接オーディオ用のハンダでケーブルをハンダ付けしてしまうほうが音質的には良い方向に行くと思います。また、見た目的にもスッキリ仕上げることができるかと思います。

以上で下準備は完了です。

配線

今回は前面パネルにLEDを取り付けて、ACアダプタと電池の2種類の電源をトグルスイッチで切り替えるたびに、光るLEDを連動させるということをしたいと考えました。

しかし、電子工作に関しては初心者ですので、これをどうやって配線すれば実現できるのかと言うのはよくわかりませんでした。なので、まあなんとかなるっしょ!という気持ちで見切り発車しました。

そのおかげでこのあと大失敗してしまうのですが・・・やっちまったのは仕方ないのでこれはこれで記録として残しておこうと思います。


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まずは、LEDを取り付ける作業からはじめました。(抵抗はこの段階では一つだけでした。)

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先に抵抗とLEDをはんだ付けして・・・

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ホットボンドで全面パネルに開けたLED用の2mmの穴の場所にくっつけます。

使用している抵抗は5.1kΩのものです。家にあった抵抗で、大きめの抵抗値のものからテストして、一番最初にテストしたこの抵抗が大丈夫そうだったので、これをそのまま使ってしまうことにしました。

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内部配線用のケーブルは、これも以前使って余っていたオーディオ用ケーブルを集めて使うことにしました。殆どは10年くらい前にiPodのDOCKケーブル作りにハマっていた頃に使って余っていたものです。そのときに買った使いかけの、短すぎて使いみちがなくて困っていたWEのヴィンテージケーブルや7NのOFCみたいなケーブルも混じっているので、実は900円のアンプボードに使うにしては贅沢なことやってたりします。

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これらをサクッとはんだ付けして配線してみました。

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早速エンクロージャーに装着してみます。

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アンプボードは適当な大きさのナットを4つ使ってスペーサーとして使用して、木ねじで固定しました。

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横穴にスピーカーユニットに接続するケーブルを通します。

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ボリュームツマミのネジを締めて固定します。

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これで、すべての配線が終わった!ことにしたかったです・・・

失敗

さて、何が失敗したのかというと、アンプボードにACアダプタをつないだり電池を入れることで、音はちゃんと出ました。でも、LEDが思ったとおりに点灯しなかったのです。

具体的にはスイッチを入れると2つのLEDが両方光ってしまうのです。

これ、電子工作に詳しい人にとってはものすごく初歩的な配線だと思います。僕もこんなの難しくないだろうと高をくくっていたのですが・・・なぜか全然うまくいきません。

いろいろとLED周りの配線を別のところに付け替えたりいじってみたのですが、全然光らなかったり、逆にオフの状態なのに光ってしまったりして、スイッチの動きと連動させることが全くできませんでした。なんでこんな光り方をするんだ!ぜんぜんわからん!!

てなわけで、めちゃくちゃハマってしまいました。音は普通に出るんですけどね。

と、そんなかんじでいろいろとやっているうちに、とあることに気づきました。

音がでなくなった !

なんと、いろいろとやっているうちに、さっきまで普通に出ていたはずの音すら出なくなってしまいました。それに気づいたときには時すでに遅し、試しにLED無しで普通にアンプボードをスピーカーに接続してみたのですが、全然だめでした。

どうやら完全にアンプボードが故障してしまったようです。

きっと、つないじゃいけない場所につないで電気を流してしまったのだろうなあ・・・どうすることもできません。

買い直すしかありません。

配線を考える

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ゴミと化したアンプボードからケーブルを外す

アンプボードが壊れてしまったので、気を取り直して少し配線についてじっくりと考えてみることにしました。

正直なところ、新しいアンプボードが届いてから実物でいろいろとテストするのは難しい気がしました。(また壊してしまいそうなので)

そこで、電子工作をシミュレーションできるサービスなどを利用して、いろいろなパターンを考えてみることにしました。

www.tinkercad.com

操作とビジュアルが直感的でわかりやすかったので、上記のリンク先のサービスを使ってみました。

それで、いろいろな接続のパターンをためしてみて、やっとうまくいきました。

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2回路のスイッチがなかったのでスイッチ2つで代用しています。アンプもなかったのでモーターで代用しています。
↑わかりにくいと思うけどこんな感じにするとうまくいきました。電池のプラス側すぐのDCモーターはどちらの電源がONになっているかわかりにくかったので見やすいようにするためにつけてみました。

どうも、いろいろと考えたり試したりして、結論としては最初に用意した1回路のトグルスイッチでは無理なことがわかりました。

スイッチの切替に連動させるためには、2回路のON-OFF-ON(3ポジション)のトグルスイッチが必要なようです。接点が6つついているタイプのトグルスイッチですね。

ELPA ON-OFF-ON トグルスイッチ HK-TGS02H

ELPA ON-OFF-ON トグルスイッチ HK-TGS02H


てなわけで、アンプボードをAmazonで注文するついでにこのトグルスイッチも注文することにしました。(本当は当初と同じく秋月電子に安いものがあったので、秋月電子で注文しようとしたのですが、単品だと送料を考えるとこちらのほうが安かったので・・・)

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最終的にはこんな感じの配線にすることにしました。

手書きの図を書いて、今回はきっちりと計画しました。これで、(おそらく)うまくいくはず!

配線やり直し

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アンプボードとトグルスイッチが届きました。

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袋から取り出すとこんな感じ。アンプボードは前と全く同じものですが、トグルスイッチは前回のものが接点が3つだったのに対して、接点が6つのものに変更しています。

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アンプボードは最初に買ったものと同じく、余計な部品を取り外すところからやっていきます。

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ケーブルを先程書いた配線の図の通りにはんだ付けしていきます。

LEDに使用する抵抗も5.1kΩのものではいくらなんでも値が高すぎるような気がしたので、1.5Ωのものに変更しています。

今回はしっかりと考えを詰めて計画したので、作業もスムーズに進みました。

動作確認

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エンクロージャーに取り付ける前に、スピーカーに繋いで音出しとLEDがちゃんと光るか、動作確認をしていきます。スピーカーは以前作ったウイスキーボトルスピーカーを繋いでみました。

www.mikinote.com

新品のアンプボードだから当たり前ですが、音は出てます。で、LEDの光り方ですが・・・

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電源OFF

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スイッチを上にON(ACアダプタ使用時)

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スイッチを下にON(電池使用時)

どうやら、今回はうまくいったようです。

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ちゃんとスイッチの上下に連動してLEDが光るようになりました。

ずいぶんと遠回りをしてしまったけれども、ちゃんとイメージ通りのものができそうです。

あとは、出来上がったものをエンクロージャーに組み込んでいけばポータブルでアクティブなスピーカーの完成となります。

パーツを組み込む

アンプ部をエンクロージャーに組み込む

アンプボードや電池ケース等をエンクロージャーに組み込んでいく作業です。

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アンプボードをネジで固定して、各パーツを所定の場所にセットしました。

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アンプボード周辺の配線はこんな感じ。

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アンプボードから電池ケースの脇を通して、DCジャックとミニジャックの端子にケーブルをハンダ付けしてあります。

背面と前面のパネルは今の時点では固定されていませんが、コの字型に曲げたカバーを取り付けてからネジ止めをします。

穴に通して隙間を塞ぐ

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スピーカーユニットに接続するLRのケーブルは、側面の穴に通して・・・

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ケーブルをユニットをはめ込む穴から出しておきます。ちょっと長めにしてありますが、あとでちょうど良い長さに切ります。

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側面の穴は少し隙間が空いているので、エポキシ接着剤を使用して隙間を塞ぎます。

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竹串を使って内側からも接着剤を盛っておきます。

カバーを取り付ける

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電池ケースの高さが足りなくて隙間ができてしまうので、カバーを取り付ける前に高さ調整用に電池ケースと同じ大きさの板をネジ止めしておきます。最終的にはこの板の上に電池ケースを乗せるような形になります。

真鍮製のカバーを取り付ける作業は、まず前面のボリュームツマミやスイッチなどを通しておいて、前面と背面のパネルの上から、カバーを少し曲げながら背面パネルの2つのジャックにはめ込むというような手順でやっていきます。

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まず、前面のツマミとスイッチを穴に入れます。これらは背が高いので、先にやっておかないとはめ込むことができなくなってしまうのです。

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そして、カバーを軽く曲げながら、出っ張りの部分の背が低いDCジャックとミニジャックを穴にはめ込みます。

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ピッタリはまりました。

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前面の方もピッタリいきました。あとはネジでとめるだけです。

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電池ケースを固定する

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電池ケースの下穴を開けた部分にネジ止めをして電池ケースを固定します。

上面にも6箇所ネジ止めする箇所があるので、ネジ止めします。

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電池を入れてみました。

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電池ケース部分の蓋を取り付けるとこんな感じ。4本の手回しネジで固定してあります。

ツマミをつける

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アンプのボリュームにツマミをつけました。これはネジ止めが不要なタイプのツマミなので、差し込むだけでOKです。

今回ツマミは、アンプボード付属のものと、買ったもので3種類用意しておいたのですが、見た目的にはこれが一番しっくりきたので選んでみました。

欲を言えばプラスチック感の少なめのもう少し質感の良い素材を使っているツマミの方が良いと思うので、後日どこかで良いものを見つけることができたら交換するかもしれません。

底面に緩衝材を貼る

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底面に、両面テープ付きの1mm厚のウレタンゴムシートを小さく切って貼ってみました。

一応、いろんなところに移動して使うことができるスピーカーというのがコンセプトなので、底面が傷つかないように、そして安定して設置をするためには必要なのかなと思いました。

スピーカーユニットを取り付ける

最後の仕上げのスピーカーユニットの取付けです。

f:id:takayukimiki:20181118020751j:plain スピーカーユニットを穴の側に置いて、ケーブルの長さをちょうど良い長さにカットして・・・

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プラスとマイナスを間違えないようにはんだ付けします。

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ユニットを穴にはめ込みます。

f:id:takayukimiki:20181118020949j:plain
ネジ止めは、一個一個やってしまうと変に偏ってネジ止めされてしまうことがあるので、対角線上のネジを交互に締めていくようなイメージで少しずつやっていきます。

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ネジ締め完了です。

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以上で全ての作業が完了しました。電池&アンプ内蔵のポータブルスピーカーの完成です。

完成

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やっとのことで完成しました。

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トグルスイッチを操作して電源を入れると、LEDが光ります。

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側面には四角いバスレフポートが空いています。

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背面側はこんな感じです。

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向かって右側がDCジャックで、左側がミニジャックです。音楽を聴くときは、ミニジャックに3.5mmのmini-miniケーブルでプレイヤーとつなげます。

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使用時のイメージはこんな感じ。

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電池が消耗するので、電源があるときはACアダプタを使うようにしています。
電池内蔵式ですが、ACアダプタなどからDCジャックに電源を接続して作動させることもできます。

電池内蔵式

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手回しネジを回して、蓋を取ることで電池ケース部分にアクセスすることができます。

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電池は8本必要です。普通のアルカリ電池でもニッケル水素充電池のどちらでも大丈夫です。

電池の持ちは予想していたよりもずっと長かったです。連続ではないですが、トータルで12時間くらい使用しても電池が切れなかったので、今回使用したニッケル水素充電池のTOSHIBAのImpulseだったら、少なくとも半日くらいは電池交換なしで使うことができるということがわかりました。

電池交換は取り外せば良いだけなので簡単ですが、そこまで頻繁に充電しなくても良さそうなのは嬉しい誤算でした。

というか、電池だけで駆動するのが便利すぎて、ぶっちゃけACアダプタの方はあんまり使ってなかったりします。

電源ONでLEDが光る

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トグルスイッチが真ん中のときは電源OFFです。スイッチを上下すると、電源がONになります。

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上がACアダプタで・・・

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下が電池です。

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きちんと動作します。

正直なところ、この光り方にする方法を探し当てる途中で少し諦めかけたのですが、思った通りにLEDが光るようにすることができました。頑張ってよかったです。

13インチのPCやタブレットが置ける

このスピーカーの上面は13インチのMacBookProがちょうど置けるくらいの大きさに設計しています。上面にノートPCやタブレットを置いて使うことで、Youtubeなどの動画も気軽に高音質でどこでも観ることができるようになります。

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このくらいの長さのケーブルが便利!
ちょうどよい長さのmini-miniケーブルがなかったので、サクッと作ってみました。右側のケーブルが長さ30cmくらいで、左側が70cmくらいです。

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このケーブルをミニジャックに挿して・・・

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スピーカーの上面に置いたMacBookProに接続します。

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こんな感じで使います。電池駆動させれば電源ケーブルもいらないし、こういうラフな使い方が気軽にできるので良いです。

持ち運べるって便利!

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左右側面のバスレフポートは指を入れてちょうど持ち手として使うことができるくらいのサイズになっています。

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穴の内側はなめらかに削ってあるので触り心地が良いです。

この持ち手があるのとないのとでは大きな違いがあって、やはり持ち手があると持ちやすいです。なので、家の中でも気軽に持ち運びができるのはものすごくメリットだと思うんですよね。そして、電池で駆動できるので、電源ケーブルが無くても動くというのは想像していたよりも便利でした。

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キッチンで

例えば料理するときとか、ちょっと洗濯物を畳んだりするときなんかにも持ち運んで音楽を聞きながら作業することができます。

そういうときはイヤホンとかでも良いのですが、作業中はケーブルが引っかかったりすることもあるし、何よりも今回作ったスピーカーの方が音質的には良いと感じます。

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12.9インチのiPadProもちょうどよいサイズです。

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屋外でも

まだ、やっていないのですが、外に持ち出して音楽などを楽しむことも普通にできると思います。(というか、それが最初の目的)

バーベキューなどをしながらみんなで盛り上がれる音楽をかける・・・みたいな使い方も楽しそうですね。車でいろんなところに持っていくとレジャーの幅が広がりそうです。こういうのも来月引っ越したらそのうちやってみたいですね。

ちょっとした反省点・・・というわけではないのですが、持ち運びするものならばスピーカーユニットの保護のためにスピーカーグリルをつけたほうが良いかなと思いました。今の状態だと、持ち運び時に油断するとスピーカーユニットに何か当たって破損することもありそうな気がしました。

しかし、今回の作業はとりあえず満足するところまでやれたと思っているので、しばらくはこのままで使っていくことにします。そのうち気が向いたらスピーカーグリルを作って、取り付けてみようと思います。

音質

最後に簡単に音質の感想を書きたいと思います。

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実はこのスピーカーが完成してから1ヶ月半くらい時間が経過しているので、完成直後よりも音質的には落ち着いてきていると思います。

音の感じはフルレンジユニットを使用したスピーカーなので、低音が強調されたような音ではなくて自然な感じの音です。低音が強調された低価格のスピーカーやイヤホンにありがちな、こもったような印象がないのが良いと思います。バスレフ型の効果で高音中音はもちろんのこと、程よく低音は出ていて、狙い通りフラットな印象の音だと思います。

左右一体型のスピーカーですが、思ったよりもステレオ感は感じられます。エンクロージャーの左右の部屋を分けて設計したのが良かったのかもしれません。

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そういえば、以前同じアンプボードでアンプを作ったときは、最初あまり良くない印象を感じたのですが、今回はそういう印象はないですね。最初からけっこう良い音でした。

ひょっとしたらアンプボードの余計な部品を取り外したりとか、配線用のケーブルに良いものを使ったりとか、こだわりの積み重ねでそこそこ悪くないアンプに仕上げることができたのかもしれません。

自画自賛っぽくなっちゃうのですが、音質的にもかなり良いものができたと感じました。

まとめ

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これまでにも趣味でいくつもスピーカーを作ってきましたが、流石に自作スピーカーにも慣れてきて、そつなく普通に使えるものが作れるようになってきたような気がします。

今回のスピーカーはオリジナル設計で、うまくいくか不安なところもありましたが、うまくいってよかったです。

初めてアンプを内蔵したアクティブスピーカーを作ってみたわけですが、そこに更に電池内蔵で、ACアダプタでも使える!というポータブルでも使えるという要素をいれてみました。電子工作初心者なのに、いきなりいろいろやりすぎた感はあるけど、なんとか思った通りのものを完成させることができました。当初思っていたよりも苦労しました。

こういう工作をいちからやるとなると、道具や材料を揃えるのもものすごく大変だったりするんですよね。今回は、新しく買ったパーツもあるけど、以前買っておいた材料を寄せ集めている部分が多くて、これまでに使った部品が資産になってる感じがあったことが、個人的には印象に残りました。吸音材とか、初めてスピーカーを作ったときに買ったやつがまだ残ってるからなあ・・・

スピーカーユニットにしても、今回のはウイスキーボトルスピーカー作りのときのものだしね。

電池内蔵式のポータブルスピーカーは以前、iPodを真ん中に挿して使えるもの買って使っていた時期があったのですが、音質的にあまり好みではなくて次第に使わなくなっていました。その点、今回のこのスピーカーは自分で作った思い入れもあって良い音が出てると思うので、ずっと使っていけると思います。

持ち運べて、電源ケーブル無しでプレイヤーを繋いでスイッチを入れるだけで使える音質の良いスピーカーは想像以上に便利でしたという話でした。

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